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【特別企画】脱・勘とドンブリ経営

ファクトベースで検証する出店戦略〈5〉

起点と終点の線上に出店する

ダイヤモンド社クロスメディア事業局
【第5回】 2015年7月28日
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新規出店にあたって正しい意思決定をするためのファクト(データ)をどうやって揃えるか。前回は、通行量、視界性、アプローチの3点に絞って、正しいデータの取得と評価について解説した。続いて今回は、「動線」「マーケット規模」「商圏の質」の3点について見ていこう。

店舗の実態を表す要素固有の取得法と評価法

――店舗の実態を計測するためのポイントとして、前回は通行量(ポイント規模)、視界性、アプローチの3点を説明していただきました。これ以外の重要な要素には、どのようなものがありますか。

榎本篤史
ディー・アイ・コンサルタンツ
取締役社長

  店舗の立地と商圏の観点からいえば、前回挙げた要素3点のうち、視界性とアプローチは「立地要因」に属する要素で、通行量(ポイント規模)は「商圏要因」に属する要素です。前者では、これらの次にどのような「動線」に位置しているかという点も重要になってきます。また後者には「マーケット規模」「商圏の質」という店舗のポテンシャルを大きく左右する要素があります。

 これらそれぞれに固有の取得法と評価法があり、データの収集には注意が必要です。そこで前回に続き、都市型小売流通チェーンの評価サンプルを例に説明しましょう。

動線を評価する

 都心部で最も人が集まるのは駅の改札前で、ほかに大規模小売店、大型交差点などがあります。このように人が集まる行動の起点が、都心型の代表的な顧客誘導施設となります。

 動線とは、これらの「顧客誘導施設」同士を結ぶ線です。それは、次の4種類に大別できます。

●主動線(単独動線)
 顧客誘導施設同士を結ぶ最もオーソドックスな動線。顧客誘導施設の種類や特性によって通行者の質や量が変化する。
●複数動線(回遊動線)
 複数の動線が混在している状態。同一線上に複数の顧客誘導施設がある場合、通行量は顧客誘導施設の数だけ多くなる。また、回遊動線とは、人が複数の顧客誘導施設で結ばれた動線上を回遊する状態で、東京の銀座4丁目交差点付近や新宿駅東口周辺などが代表例。
●副動線(裏動線)
 主動線と同じ顧客誘導施設を起点としながら、主動線とは別の人通りの多い動線。東京・渋谷区の「キャットストリート」(旧渋谷川遊歩道)などが代表例。表参道と交差するキャットストリートの北側エリアは俗に「裏参道」と呼ばれ、「裏動線」が形成されている。
●接近動線
 主動線に接近した動線。業種や競合状況にもよるが、徒歩の場合、主動線との距離は50m以内が限界。

 都市型の店舗の場合、動線の評価は主動線に「面しているか」「面していないか」が基準になります。さらに、面している場合は「物理的・心理的障害があるかないか」、面していない場合は「主動線から30m未満か30m以上か」といった基準で評価します。

▽関連資料【都市型小売流通チェーンの評価サンプル】はこちら▽

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