3.よい聞き手としての面接官

 面接官は応募者の合否を判断する役割を担っています。ですから、応募者自身をよく理解し、ジャッジできるだけの情報を把握する必要があります。矢継ぎ早に鋭い質問をするのもいいですが、相手の本当の姿を引き出さなければ意味がありません。そのためには、よい質問者であるとともに、よい聞き手にならねばなりません。

4.志望動機を聞くことにはやっぱり意味がある

「どうせ、うちが第一志望の学生なんていないし」「志望動機なんか聞いても、通り一遍のことをいうだけだから」。志望動機の質問は採用面接の定番ですが、意味のなさを指摘する声も少なくありません。でも本当にそうなのでしょうか。

 志望動機を聞くことによって、仕事へのスタンスを見ることができます。志望動機をきちんと語れる学生は、予習する力を持っている学生です。予習する力は、大切な仕事の基礎力の1つです。初めての顧客に訪問する際は、どこまでその会社のことを調べてきたかで、商談の成功率が左右されます。どんな予習が求められるか仮説を立て、それを適切に実行する、そんな力です。その人なりの見地でフィット感のある志望動機を語れるようであれば、「そこそこ仕事ができそうだ」と期待できます。

5.思っている以上に私たちは見られている

 先日、自分が面接をした学生と話す機会があったのですが、「私が〇〇と答えた時に、少し目を落とされましたよね。失敗したかなぁと思ってあわてたのですが、やっぱりまずかったでしょうか」と聞かれました。私としては、そんな意識はまったくなく、第一、記憶にもありません。でも、彼ら彼女らはそれほど注意深く面接官の動きを見ており、気にしているのです。ですから面接ではすべての言動、所作に気を配らねばなりません。

 見られているのは、面接官や採用担当者だけではありません。廊下ですれ違う社員、トイレで出会う社員、誰もが見られています。それだけに、平素からの立ち居振る舞いが問われます。