スタートボタンを復活させたマイクロソフトの最新OS、ウインドウズ10。無料OSは30年の歴史の中で初となる

 ウインドウズ7以降のユーザーは1年間、無料でアップグレードできる──。かつてない配布方法を採り、ウインドウズ10が7月29日から提供開始となる。

「ウインドウズ10は、これまでのOSの概念を超えて“サービス”になる」と平野拓也・日本マイクロソフト社長は言う。

 約3年ごとに新バージョンが発売されるというサイクルも改められ、今後は数カ月などの単位で新機能がインターネット経由で追加される。また、これまで基本的にはウインドウズ上ではウインドウズ用のアプリしか動かなかったが、10からはグーグルのアンドロイドやアップルのiOSベースのアプリも動くようになる。30年に及ぶウインドウズの歴史上で、極めて大きな方針転換といえる。

 以前なら全世界一斉リリースに合わせ、東京・秋葉原などで大々的な発売イベントが繰り広げられたものだが、今回はそれもなし。

 昨年秋から「インサイダープログラム」という、参加型の開発コミュニティをつくり、100カ国から500万人を募って開発中のOSを公開、300万件ものフィードバックを開発に反映させてきた。「まずは、これまで開発に参加してくれたインサイダープログラムのメンバー500万人に優先的に配布し、これらのメンバーを集めたパーティを計画している」(三上智子・日本マイクロソフトWindows本部長)という。