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【特集・クラウドと、どう向き合うか(4)】

製品名から「ウィンドウズ」を外してまで
競合他社と手を組むマイクロソフトの狙いとは

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第83回】 2015年4月9日
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クラウドコンピューティングは、ICTベンダー自身にも従来の製品販売からサービス提供へと、ビジネスモデルの大きな転換を迫る。果たしてベンダー各社は、どのような事業戦略を描き、激戦市場を勝ち抜こうとしているのか。今回は日本マイクロソフトの取り組みを紹介する。

「クラウド3兄弟」を原動力に
対前年比2.5倍の成長率で推移

日本マイクロソフトの平野拓也代表執行役副社長(7月1日に代表執行役社長に就任予定)

 「クラウド事業はチャレンジャーの姿勢で押し進めている」

 日本マイクロソフトの平野拓也代表執行役副社長は、取材の中で幾度も「チャレンジャー」という言葉を使った。

 マイクロソフトのグローバルでの企業向けクラウド事業は、2014年12月末の段階で6四半期連続で3桁の成長率を記録。すなわち倍々ゲーム以上の勢いで伸びており、2015年6月期(通期)の売上高は55億ドル規模になる見通しだ。

 平野氏によると、「日本も昨年来、グローバルを上回る対前年比2.5倍の成長率で推移している」と言う。まさに急成長中にもかかわらず、チャレンジャーとはどういうことか。

 それを紐解く前に、マイクロソフトのクラウド事業の中身を紹介しておこう。図に示したように、同社は全ての領域でクラウドサービス、およびそれに必要なツールを提供している。

マイクロソフトのクラウド事業の全体像(出所:日本マイクロソフト資料)

 中でも、サーバやソフトウェアを不特定多数が共有して利用する「パブリッククラウドサービス」では、ハードウェアを中心としたICT資源をサービスとして利用する「IaaS(Infrastructure as a Service)」およびソフトウェアの開発・実行基盤である「PaaS(Platform as a Service)」の両機能を持つ「Microsoft Azure」が代表格だ。

 これに加え、アプリケーションソフトウェアを利用する「SaaS(Software as a Service)」領域のオフィスツール「Microsoft Office 365」と、顧客情報管理(CRM)ツール「Microsoft Dynamics CRM Online」を前面に押し出しており、同社ではこれら3つのサービスを「クラウド3兄弟」と呼んでいる。

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松岡 功 [ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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