2月20日、KDDI(au)が初めて発売した「ガラホ」。端末はガラケーだが、中身はスマホという新商品だ。スマホを好まないユーザーにとって、ガラホ発売は朗報になるだろうか?(ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)

「出足の売れ行きは好調」
“ガラケー大国”日本ならではのガラホ誕生

 KDDIがガラホを発売して1週間。「まだ販売データを集計中だが、出足はかなり好調」と手応えを感じているという。ガラケーそのままの端末だが、OSはAndroidで、データ通信の速度はスマホと遜色ない。そもそも、なぜガラホが誕生したのだろうか?背景には、根強いガラケー人気があるようだ。

KDDIが発売したガラホ「AQUOS K SHF31」。ガラケーとスマホのいいとこ取りという発想は、ユーザーにどこまで受け入れられるだろうか?

「スマホが便利なのは知っているけれど、使い慣れたガラケーを変えたくない」。iPhoneなど、続々誕生するスマホの新機種を尻目に、ボロボロに使い込んだガラケーを手放さないユーザーは少なくない。シンプルな操作性に加え、料金の安さも、ガラケーの魅力だ。

 実際、日本は未だに“ガラケー大国”。総務省の資料によると、日本のスマホ保有率は53.5%。シンガポールの93.1%、韓国の88.7%、英国の80%などと比べて非常に低い。中高年層を中心に、ガラケーのシンプルさを好むユーザーが大勢いるのだ。MM総研によると、2014年のガラケー出荷台数は6年ぶりに増え、前年比で5.7%増となった。

 キャリア側も、こうしたニーズを肌で感じている。たとえば、ドコモの個人投資家向け説明会では「ガラケーを出し続けてほしい」との要望が必ず出るのだという。

 しかし、ガラケーの機能にユーザーが100%満足しているのかといえば、決してそうではない。LINEなどのアプリがスムーズに使えなかったり、ウェブが見にくいなどのデメリットがあるからだ。