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文系でも知っておきたいプログラミングとプログラマーのこと
【第2回】 2015年8月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
清水亮

なぜデスマーチは起こるのか?
プログラマーの進捗管理で
文系ビジネスパーソンができること

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「頼んだプログラムが予定通りに出来上がってこない!」
新刊書籍『文系でも知っておきたいプログラミングとプログラマーのこと』から抜粋してお届けする連載第2弾。今日は若手プロジェクトマネージャ(文系ビジネスパーソン)の失敗から進捗管理のコツを学びます。プロジェクト失敗の典型的な6つの原因とは?

プログラマーの進捗管理に
失敗すると大変なことに…

 文系ビジネスパーソンとプログラマーが一緒に仕事をする場合、文系ビジネスパーソンの役割の一つとして進捗管理があります。

 プログラマーは真面目な人が多いのですが、いつもそうとは限りません。なぜなら、ノッてるときは驚くほど素早く終わるのに、気分が乗らないと全くといっていいほど捗らないのがプログラミングだからです。

 進捗確認のためのプログラマーとの会議を週ごとに行うケースが多いと思いますが、文系ビジネスパーソン、とくに若手がプログラマーの特性を見極め、ちゃんと進捗管理できることは稀です。

 そこで行われる会話を再現してみましょう。

●登場人物
文子  (文系ビジネスパーソン 社会人四年目 企画担当)
プロ男 (プログラマー 社会人四年目)
プロ介 (プログラマー 社会人一年目)

●進捗確認でよくある会話
文子 「えーと、ではこれから進捗確認を始めます。先週のタスクの進捗を教えてください」
プロ男予定通りです
プロ介「えーと、こっちも予定通りです」
文子 「ありがとうございます。では今週のタスクを確認したいのですが…」
プロ男「今日、割り込み仕事が入ったのでちょっと遅れそうな気がします」
文子 「どのくらいですか?」
プロ男うーん、わかんないな。今週中には終わると思う」
文子 「そうですか……。ではまた来週教えて下さい」
プロ助「あのー、今週のタスクって、やったことないプログラムなんで検証の時間が必要なんですが」
文子 「そうですか。ではそれも来週報告してください。では、解散しましょう」

 だいたいこんな感じです。
 筆者は文系ビジネスパーソンが会議をとりまとめているのを何回も見たことがありますが、驚くほどこんな感じです。
 議事録も「特に問題なし」と書かれ、進捗会議は10分もしないで終了しています。
 素晴らしい。まさに理想的。絶好調……なわけがありません。
 このあとにはもちろん地獄が待っていました。
 一ヵ月後の会議を再現してみましょう。

文子 「えーと、ではこれから進捗確認を始めます。先週のタスクの進捗を教えてください」
プロ男詰まってます
プロ介「えーと、こっちもプロ男さんの仕事待ちなんで、手すきです」
文子 「どこらへんで詰まってるんですか?」
プロ男「ちょっと先週、リファクタリングしてたんですよ。そしたら仕様の見落としがあって、そこを追いかけてる感じです」
文子 「えっ、先週は画面まわりの処理を実装するんじゃなかったんですか?」
プロ男「リファクタリングしないと収拾つかなくなってたんで。先週はずっとそれですね」
文子 「そんなこといま言われても困ます。納期は来月なんですよ」
プロ男「いや、そんなこと言われてもねえ。仕様に見落としがあったんだからさあ」
プロ介「いやー、あれはプロ男先輩でも見落としちゃいますよ」
文子 「いつ画面まわりの処理を実装できますか?
プロ男「うーん、まあ来週からかなあ」
文子 「プロ介さんが代わりにやることはできませんか?」
プロ介「いやー、自分には無理ッス。プロ男先輩に比べるとスキルがぜんぜん足りないんで

 さらに一週間後……。

文子 「えーと、今週から画面まわりの処理の実装をしていただくことになってますが……」
プロ男「まだ手をつけられないですねえ。先週見落とした仕様があるので」
プロ介「プロ男先輩の作業が終わらないと僕も何もできないので打つ手ナシです」
文子 「それじゃあ困ります。納期まであと三週間しかないんですよ!
プロ男「じゃあ仕様変える?」
文子 「いや、クライアントに黙って仕様を変えるわけにはいかないですし……」

 こうなると泥沼です。
結局、一ヵ月経っても完成には至りませんでした。
 このやりとりを見て、背筋が寒くなった方もいるのではないでしょうか。あまりに典型的な失敗プロジェクトです。

 文子さんは何がいけなかったのでしょうか。
 いろいろな原因が考えられますが、筆者が考える失敗の理由は以下の6つです。

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清水亮 [ユビキタスエンターテイメント代表取締役社長]

1976年新潟県生まれ。高校在学中に雑誌でプログラミングについての連載を持ち、電気通信大学在学中に米Microsoft Corp.の次世代ゲーム機向けOSの開発に関わる。1998年、株式会社ドワンゴ入社。 1999年にエグゼクティブゲームディレクターとして携帯電話事業を立ち上げる。2002年退社し、米DWANGO North America Inc.のコンテント開発担当副社長を経て2003年より独立・現職。 2004年度に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)より、天才プログラマー/スーパークリエイターとして認定される。2008~2010年九州大学大学院非常勤講師。著書に『教養としてのプログラミング講座』(中公新書ラクレ)、『ネットワークゲームデザイナーズメソッド』(翔泳社)などがある。

 

 

 

 


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