ああ、産みたいのに産めない!
「2人目不妊」が蔓延する子育て家庭の混沌ジャーナリスト・小林美希

2015年8月5日公開(2015年8月5日更新)
小林美希[ジャーナリスト]

“保活”しても保育所に空きがない
やっと入れても「ブラック保育所」

 「あれだけ“保活”してやっと入れた。またかと思うと正直、躊躇する」

 都内に住む川田葉子さん(仮名・36歳)は、「2人目を産むならそろそろだ」と思いながら、悩んでいる。いわば、保育環境を要因とする「2人目不妊」に陥っているのだ。

 2012年12月に第1子を出産。広告会社に勤める川田さんは、育児休業を取得して職場復帰を計画していた。初めての育児も、子どもの可愛さを感じる日々で、「もう1人、子どもを産みたい」という気持ちが強くなっていた。出産から約1年後、保育所の入園の申請をしたが、年度途中で0歳児クラスの空きは全くない。それどころか、次年度の1歳児クラスについて自治体が公表する空き状況をホームページで確認すると、これも軒並みゼロ。

 先輩ママに聞くと「1歳児クラスなんて激戦中の激戦!わざわざペーパー離婚してまでして点数を上げる人もいるくらいだから、早々に“保活”しなきゃ」とたしなめられた。保育所への入園には審査があり、親の就労状況などが点数化され、高い順から入園が決まる。最も点数が高いのが夫婦ともにフルタイムで長時間労働しているケースで、比較的安定した職業が多い。別途、1人親家庭などには加点がつく。待機児童の多さで0歳から空きがない状態のため、いったん入園した子どもたちが次年度に持ち上がり、定員枠があまり増えないため、1年の育児休業を取ってから入園となると、想像以上の激戦となってしまうのだ。

 認可保育所が見つからなければ1年半まで育児休業を延ばすことができ、新年度の4月入園を待つこともできるが、空きが見込めない以上、少しでも他をリードしなければならない。早速、川田さんは職場の上司に職場復帰の相談をし、認可外保育所に子どもを預けて入園審査の点数を上げることを考えた。だが、その認可外保育所を探すのにも一苦労。自治体から認可外保育所の一覧をもらったものの情報が乏しく、ちょっと見学しただけで安心して子どもを預けられるのかもわからないまま、空きがあった認可外に子どもを預けることにした。

 保育料は認可保育所では親の収入によって変わり、川田さんの場合は月額で約4万円。一方で、認可外保育所は認可と違って公費が投入されないため、保育料は月額で約10万円もかかる。川田さんは「12月から年度末まで認可外に入れたことで保育料が40万円もかかったが、認可保育所に入る頭金と思うしかない」と苦笑いした。

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人口減少にじわじわ効いてくる 「2人目不妊」のボディブロー

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