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実録・底上げ人材育成術

“意識低い系”社員を本気にさせる!
社長のコミュニケーション術

山元浩二 [日本人事経営研究室(株)代表取締役]
【第3回】 2015年8月7日
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 「山元さんのクライアントは、ゆとり世代の育て方に悩んでいますか?」

 企業の人材育成を支援する仕事柄、メディア関係者から世代論や若者像と紐づけるご質問をいただくことがあります。先日も「意識高い系」の若者という言葉が最近注目されていると聞きました。

 数年前からネット上で流行し始め、今年はNHK-BSプレミアムのドラマ「その男、意識高い系。」でも取り上げられました。ダイヤモンド・オンラインの『「意識高い系」の人はなぜあんなにウザイのか?』などの記事も拝見しましたが、意識高い系とは「自分のビジネススキル、経歴を自己演出し、パッと見、スゴイ人に見える人たち」なのだそうです。

 記事を読んだ限りの印象ですが、意識高い系と呼ばれるような若者は、単に大言壮語しているだけでなく、難解なビジネス用語や英語を好んで使うあたり、有名大学出身などの高学歴の方が比較的多く、モチベーションは高いのではないでしょうか。そして、彼らの就職先もグローバル展開をしている大企業、あるいはマスコミで注目される有名ベンチャー企業のような「花形」が多いように思います。

中小企業に“意識高い”系は存在しない!?
笛を吹いても踊らない“意識低い系”が問題

 率直に言うと、中小企業のお手伝いをしている私には、企業がそうした「意識高い系」の育成に悩んでいる実感は全くありません。これは私のクライアント企業の社長の多くも同様ではないかと思います。

 NHKのドラマでは、会計ソフトを販売しているIT企業が舞台でしたが、東京にある一握りの企業で、そうした若手社員が実際いるのかもしれません。しかし、第1回でも書きましたように、六本木ヒルズで世界を相手に商売をする大手企業と、社員数ひとケタの町工場といった職人気質の中小企業では、人材育成の課題も、育成対象となる人材像も全く異なります。

 あえて言い切ってしまうと、業態にもよりますが、地域密着型の中小企業には意識高い系の社員は存在しません。むしろ、実態としてあるのは、“意識低い系”社員をどうするか。社長が会社のためにと思い、新しいノウハウを導入しようとして、それがどんなに良いものであったとしても、モチベーションが低いために社員一人ひとりが動こうとせず、組織が停滞し続けていることに悩んでいるケースが多いというのが、300を超える中小企業をお手伝いしてきた私の経験に基づいたリアリティです。

 「笛を吹いても社員が踊ってくれない」――中小企業の現場で、経営者が新しいことを始めようとしても、なかなか思うように従業員が動いてくれなくて悩んでいることは多いのではないでしょうか。

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山元浩二 [日本人事経営研究室(株)代表取締役]

1966年、福岡県飯塚市生まれ。日本で随一の人事評価制度運用支援コンサルタント。日本社会を疲弊させた成果主義、結果主義的な人事制度に異論を唱え、10年間を費やし、1000社以上の人事制度を研究。会社のビジョンを実現する人材育成を可能にした「ビジョン実現型人事評価制度®」を日本で初めて開発、独自の運用理論を確立した。 導入先では社員の評価納得度が9割を超えるなど、経営者と社員双方の満足度が極めて高いコンサルティングを実現。その圧倒的な運用実績を頼りに、人材育成 や組織づくりに失敗した企業からオファーが殺到するようになる。地元福岡で2001年に創業、2013年には東京に本社を移転し、全国的にもめずらしい人事評価制度専門コンサルタントとしてオンリーワンの地位を築く。業界平均3倍超の生産性を誇る自社組織は、創業以来、増収を果たす。2013年11月『小さな会社はリーダーを人事評価制度で育てなさい!』を発刊。代表著書に累計20刷のロングセラーを誇る『小さな会社は人事評価制度で人を育てなさい!』(KADOKAWA/中経出版)などがある。日本人事経営研究室(株)HPはこちら


実録・底上げ人材育成術

日本企業の99%は中小企業で、従業員の7割は中小企業で働くビジネスマン。実は中小企業こそ日本経済の「マジョリティー」なのである。そんな中で人材マネジメントについて注目してみると、大企業オリジンの手法が中心で、必ずしも現状にマッチしていない。たとえば近年アメリカ型のマネジメントから派生した成果主義に対する考え方、「360度評価」等の新しい手法は、社員数が3ケタにも行かない中小企業では通用しないことが多いというのが、独立前を含め18年、300数十社の中小企業を見てきた筆者の持論だ。本連載では、ビジネススクールや経営コンサルタントが言いがちな「定説」を覆し、山元氏の豊富な経験と取り組み事例を元に独自の視点で中小企業の人材育成を語る。

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