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フジタTOBで透けて見える
ゴールドマンの出口戦略

週刊ダイヤモンド編集部
2008年10月15日
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 中堅ゼネコンのフジタに対し、議決権ベースで46%の株式を保有するゴールドマン・サックス(GS)が100%子会社化を目指しTOB(株式公開買い付け)を開始した。TOBが成立すればフジタは東証二部を上場廃止となる。

 今回のTOBは「経営課題であった優先株問題を解決するため」(土屋達朗・フジタ常務)。フジタはGS向けに888万株の優先株を発行しており、昨年からは普通株への転換も可能になっている。

 このため株式の希薄化リスクがつきまとい、「業績的には堅調なのに株価が下落し続けている。このままでは株価下落が信用不安を招く悪循環に再び陥りかねない」(土屋常務)という懸念があった。

 フジタは第三者への新株発行で調達した資金による買い入れ消却などの選択肢を検討してきたが実現には至らず、TOBによりいったん上場廃止したうえで優先株を消却する方針に切り替えた。

 しかし、業界では「希薄化リスクは最初からわかっていたはず」という見方は根強く、別の観測が持ち上がっている。業界関係者によると「GSはこのところ手持ちのフジタ株を売却したいという話を複数の同業他社に持ち込んでいた」というのだ。

 GSの資本参加からすでに3年が経過、08年3月期に、営業・経常・当期のすべてで増益を果たすなど、業界では数少ない好決算を達成したフジタ。

 業績的にはすでに再建を果たした格好のフジタからGSがエグジットするタイミングを探っていたことは想像に難くない。

 加えてサブプライムローンに端を発した世界的な金融危機が日ごと深刻化するなか、GSとしては早期の利益確定に動く必要もあった。

 だが、これらの売却話が成立しなかった原因の1つに優先株問題があった可能性は高い。だから、優先株の重石を取り除くためにまず、TOBに動いたのではと見られている。

 フジタに限らず、優先株を抱えるゼネコンは多く、その処理をめぐって業界再編の幕が再び上がる可能性もある。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 鈴木洋子 )

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