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大塚家具は○、フジテレビは×
炎上で儲かった会社、損した会社の3つの違い

窪田順生 [ノンフィクションライター]
2015年8月7日
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父娘ゲンカが会社を巻き込む問題に発展した大塚家具だが、お詫びセールが好調で、むしろ業績は向上した。“炎上”をビジネスに結びつけられるか、それとも、そのまま失墜してしまうのか。分かれ目はどこにあるのか?

炎上を中途半端に狙って
豪快に空振りしたフジテレビ

 7月25日に放映された、FNS27時間テレビが豪快に空振りをした。

 「めちゃめちゃピンチってるッ!本気になれなきゃテレビじゃないじゃ~ん」という、ツッコミ入れてくださいといわんばかりの煽り系タイトルといい、人気芸人たちにテレビへの不満をプレゼンさせるなどの企画といい、この番組が「ネットでの炎上による話題化」を目論んでいるのは明らかだったが、フタを開けてみれば平均視聴率10.4%(同番組歴代ワースト3)。火柱どころかさざ波すらたたない地味な結果となってしまったのだ。

父娘ゲンカを巡る“炎上”を、結果として儲かる方向に持って行けた大塚家具。その理由は何だろうか?
Photo:Rodrigo Reyes Marin/Aflo

 さらに弱り目にたたり目ではないが、番組公式Tシャツの「HONKY」という文言が白人を侮蔑するスラングだったことや、番組内でパロった「TED」の許諾を得ていなかったことなどが判明し、視聴率には還元されない「ネガ炎上」まで招いてしまっている。

 なぜこんなお粗末な結果になってしまったのかといえば、フジテレビ上層部が、「炎上」というものをまったく理解していなかったことに尽きる。もちろん、「ギョーカイ人がハメを外して大騒ぎをすれば、パンピーは食いつくでしょ」というバブル期の感覚を未だに引きずっているということもあるが、「炎上」の押さえるべきツボを見事にハズしてしまっているのだ。

 実は海外では我々が「炎上」と呼ぶ現象を、当たり前のようにビジネスへ結びつけている。マーケティングの世界では、口コミを獲得して話題になることを「バズる」(Buzzる)というが、そのなかでも確信犯的に「バズりそうな餌」を放り投げて、「空気」が盛り上がったところで一気に刈り取るというスキーム、つまり「炎上商法」が、立派に市民権を得ているのだ。

 有名なところでいえば、2011年に話題になったルーマニアのチョコレート菓子「ROM」である。

 このお菓子はパッケージにルーマニアの国旗をあしらっていて、ルーマニア国民に抜群の認知度を誇っていたが、近年売り上げが低迷していた。そこで、パッケージをアメリカの星条旗にリニューアルをするというテレビCMを放映。店頭でも大々的なプロモーションをしたのである。これに即座に反応した人々がいる。

 愛国心の強い人々だ。

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窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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