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部下に悩む 上司のための心理学
【第12回】 2009年7月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
衛藤信之 [心理カウンセラー]

部下と意見が対立したら、どうすればよいか

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なぜ上司と部下は対立するのか

 上司の考えは理解できるし、人間関係も良好なのに、上司の指示に従えない。それは、上司の指示を聞き入れることによって、部下が何らかの問題を抱えてしまう場合です。

 実際にオフィスで起こった例を取り上げてみましょう。

 ある企業のお客様センターでの出来事です。お客様センターに所属するAさんは、お客様からの問い合わせに対して返事の手紙を書いたり、商品紹介の案内状などを作成・発送する業務を行なっていました。

 ある日、上司とAさんとの間に意見の対立が生まれました。

 上司の不満は、Aさんがお礼状や案内状をすべてパソコンで作ってしまうことでした。パソコンで作ったものでは、お得意様に対して誠意が伝わらない。そう思った上司は、Aさんに予防の自己開示メッセージで伝えました。

 「お得意様に出す手紙は、こちらの情熱や誠意が伝わることが大切だから、それを最優先で考えて行動してほしいんだ。お客様への真心が伝わらなければ、君たちの日頃の努力が無駄になるようで不安だからね」

 ところが、Aさんは手書きの文字にあまり自信がありません。そのため、上司からのメッセージに対し、今度は手紙にデザイン文字を取り入れたり、風景画のおしゃれな便箋を使って補おうとしたのです。

 これを見た上司は、

 「これからは、業務書類に関してはいままで通りパソコンで作ってくれていいが、お礼の手紙については、こちらの誠意が伝わるように手書きで出してくれ」

 と再度指示を出します。一見立派な解決のように思われます。ただ、これは上司の立場からの問題解決策であって、部下の立場からの解決策にはなっていません。なぜなら、Aさんは字があまりきれいではないという問題を、依然抱えたままなのですから。

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衛藤信之 [心理カウンセラー]

日本メンタルヘルス協会代表。心理学の学派や権威にとらわれずに、難しい理論を面白おかしく説明できる逸材として、語りでは吉本風心理学の異名をとる。心理カウンセラーのなかでは顧問企業数はトップクラス。講演や研修を行うかたわら、全国で心理学のゼミナールを開催。著書に『心時代の夜明け』(PHP研究所)などがある。


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