経営 X 人事

モチベーションを高める
「給与」と「キャリア」の考え方

「戦略人事が具体的に行うべき9つのこと」より、今回は、(7)「モチベーションを高める」から、その具体的な方法――「給与」と「キャリア」について解説します。

給与は、結果ではなく、
目標を基準に決める

 モチベーションを高める要素にはいろいろありますが、特に大きなウエイトを占めるのが、「給与」と「キャリア」です。

 給与には、“施し”という考え方と“インセンティブ”という考え方があります。

 結果に対して与えるのは“施し”であり、モチベーションとして使うのが“インセンティブ”。

 多くの日本の企業の給与は、「これだけやってくれてありがとう」と、結果に対して払う施し的なものですが、こうした給与の使い方はもったいない。
むしろ、「これだけやったらこれだけ払う」というインセンティブ的な払い方をしたほうが、働く人の意欲を高めるうえで効果的です。

 また、多くの企業で賞与を労使の交渉で決めていますが、そこで議論されているのは、「前の年はどういう結果が出たのか。そのうちのどれだけを社員に分配できるのか」ということです。

 しかし、米国のような産業別の労働組合ならまだしも、日本の労働組合は企業内組合で、いわば会社との運命共同体です。同じ運命を共にするものが、稼いできたものの分配を争うのは、おかしいでしょう。

 ですから私は、賞与も、「こういう結果を出したら、ボーナスをここまで出そう」とあらかじめ決めておくほうが、労使双方にとってよいと考えます。

 当社の場合なら、「競合他社に勝ったら」とか「マーケットシェアを伸ばしたら」「利益率を上げたら」○○(金額)払う、というふうにあらかじめ決めておいたほうが、社員は目標達成に向けて、よりはりきって仕事をするでしょう。

 かつて日本の強みのひとつと言われた企業内組合であればこそ、会社が社員と共にすばらしい方向に向かっていくための、欧米とは違う新しい労使関係や処遇の考え方を打ち出し、実現していくべきではないでしょうか。

 私は、そうしたものをLIXILから打ち出していければと考えています。

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八木洋介

1955年生まれ、京都大学卒業。1980年日本鋼管(NKK、現JFEスチール)に入社。人事などを歴任し、1999年から13年間はGEに勤務。複数のビジネスにおいて日本およびアジアの人事責任者を歴任。2012年4月より現職。著書に金井壽宏氏(神戸大学教授)との共著『戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ』(光文社)がある。


勝つ組織をつくるための戦略人事塾

NKKやGEで人事の要職を歴任し、現在はLIXILグループで執行役および人事の責任者を担う八木洋介氏が、経営に資する「戦略部門としての人事」とは何かを解説する。

「勝つ組織をつくるための戦略人事塾」

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