ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
40代からの人生の折り返し方 野田稔

転職では取引先・親族の人脈をあてにしてはダメ

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
【第13回】 2015年8月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

関係性の強い人脈よりも弱い人脈のほうが
いい情報が得られやすい理由

あなたが転職を考える時、まず頼るのは誰?

 いずれそう遠くない将来、転職も視野にいれている人は、良い転職の情報や機会を得るために、何をなすべきだろうか。

 米国の社会学者、マーク・グラノヴェターが1973年に提唱したウイークタイ・セオリー(弱い紐帯の理論)は良質な転職情報を得るために大切な概念だ。人生の転機となるような情報の取得に関しては、毎日顔を合わせている人との結びつきのような『強い紐帯(結びつき)』よりも、ちょっとした知り合いや年に1回ぐらいしか顔を合わせない知人のような『弱い紐帯』のほうが役に立つという研究結果だ。

 この理論は、企業と労働者のジョブマッチング・メカニズムを明らかにするための実証研究から生まれた。

 調査の対象者(282人のホワイトカラー)のうち56%が人脈を通じて職を見つけたのだが、その中で強い紐帯の人脈よりも、弱い紐帯の人脈から得られた情報で転職した人の満足度のほうが高かった。

 分析してみると、強い紐帯の人から得られる情報は本人にとっては当たり前のもの、既にわかっている情報が多い。何と言っても毎日顔を合わせている仲だ。日ごろ接している情報や人間もほとんど同じなのだから、それも当然だろう。

 それに比べて、弱い紐帯の場合は、思いもよらない情報がもたらされる可能性が高いということがわかった。しかも強い紐帯の人同士でやり取りされる情報は、常日頃のことなので玉石混交だが、弱い紐帯の人からわざわざもたらされる情報は重要なものであることが多いものだ。

 実際に身の周りを見回してみてほしい。強い紐帯とは、どんな関係の人たちだろうか。まずは家族。家族には親戚も含まれる。次が会社の同僚や上司・部下。これに加えて日常的に顔を合わせているのは仕事関係の取引先やお客様といったところだろう。

 さて、これら強い紐帯の人々からもたらされるであろう転職情報を想像してみよう。会社の人間が転職情報をもたらすことはまずない。家族からもたらされるものは、「家業を継げ」とか、「田舎の知り合いの会社」といった話が多いだろう。いずれも想定の範囲で、あまり夢はなさそうだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授/株式会社リクルートホールディングス リクルートワークス研究所 特任研究顧問。野村総合研究所、リクルート社新規事業担当フェロー、多摩大学教授を経て現職に至る。日本テレビ系列「ズームインスーパー」、NHK総合「経済ワイドビジョンe」「Bizスポワイド」、NHKEテレ「仕事学のすすめ」などメディアでも活躍。主な著書に『組織論再入門』『中堅崩壊』(以上ダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)『企業危機の法則』(角川書店)など多数。


40代からの人生の折り返し方 野田稔

40代は時計で言えば、ちょうど昼の12時を回った人生の午前中が終わったばかりだ。人生折り返し、1日に例えれば、午後をいかに過ごすか。黄昏が訪れる前に上手に人生を折り返す方法をこの連載では考える。

「40代からの人生の折り返し方 野田稔」

⇒バックナンバー一覧