事前準備のない安易な転職では
成功は望めない!
今回から数回にわたって、「転職」について考えていきたいと思う。多くは、転職の常識のウソを解くという形になりそうだ。
前提として強調したいのは、「孫子の兵法に習え」ということだ。
“それいまだ戦わずして廟算して勝つ者は、算を得ること多ければなり。いまだ戦わずして廟算して勝たざる者は、算を得ること少なければなり(後略)”
これは兵法であるから戦争について語っているのだが、前もってしっかりとした準備をして、勝算を得られる計画を立てなければ戦いに勝つことはできない。つまりは、事前の見通しのない戦いには挑んではならないということを言っている。
勝算のない戦いに挑むのは愚かな行為だ。よく、やってみなければわからないと言うが、命のかかっている戦争は、勝てるかどうかわからないならやらないほうがいい。
転職も同じだ。転職も命がけ。うまく行くかどうかわからないけど、とりあえずやってみるというものでは決してない。必ずうまくいくという計画があって初めて踏み切るべきものなのだ。
ただし、必勝の計画があっても時としてうまくいかないのは戦と同じ。結果としてうまく行くか行かないかではなく、事前にいかにしっかりと計画するかが大切なのだ。
転職というものは、職を得た時点がゴールではない。新しい働き先で満足できて、ステップアップできて初めてゴールだ。だから、望むところに転職できるという見通しはもちろん、その転職先で先々、自分は今よりも幸せになれるという見通しが立つ転職でなければ決して踏み出してはいけない。
ところが、現状が不満だからととりあえず辞めてしまう、現状打開のためにと安易な転職機会に飛びつくという人が多すぎる。もちろん、辞めて一休みする、大学院などに入って勉強をするという場合もあるだろうが、辞めることが目的の転職は決してやってはいけない。