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山崎元のマネー経済の歩き方

期待リターンのつくり方・使い方は難しい

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第121回】 2010年3月23日
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 個人のおカネの運用でも巨額の年金基金の運用でも、おカネの運用計画を考える場合、将来の株式や債券のリターン(収益率)について考えなければならない。

 仮に、筆者が、架空の年金基金の今年度の運用計画の策定に参加しているとしよう。

 簡単化のために日本株のベンチマークを日経平均として(本当はTOPIXのほうがよいが)、これが現在1万円だとしよう。

 運用委員会が始まると、まず年度末の日経平均をいくらに想定するかと問われるだろう。たとえば、1万2000円と答えたとする。

 この予想はそのまま期待リターンにはならない。この場合の20%は、いくつもありうるうちの一つのシナリオに賭けた、いわば予想屋のリターンだ。この種の「予想リターン」はそのままでは使えない。運用計画の計算に必要なのは、実現確率でウエートづけされた期待値である「期待リターン」だ。

 ただし、正しい期待リターンを求める決まった手順があるわけではない。一定の仮定に基づいて、「このあたりだろう」というリターンを求めるしかない。

 筆者ならどうするか。おそらく「標準」あるいは「無難」と考えるリターン水準を、信頼性を加味した自分の予想で修正したものを期待リターンとするだろう。

 この場合、「無難」をどこから持ってくるかがまた難しい。過去数十年の平均もそのままでは使えないし、複数の予想屋の平均もダメだ。おそらく他の機関投資家の運用計画から逆算したリターンのなんらかの平均値(彼らの「発表値」の平均ではない)を使うだろう。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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