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元銀行マンの准教授が語る 「腹に落ちる」環境学

「エコバック」人気が象徴!? “ステレオタイプな環境意識”から抜け出せない日本人

――日本人の環境意識は、本当に高いのか?

見山謙一郎 [立教大学AIIC特任准教授/フィールド・デザイン・ネットワークス代表]
【第13回】 2010年3月23日
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 3月12日に日本の中長期的な温室効果ガスの削減目標を盛り込んだ「地球温暖化対策基本法案」が閣議決定され、19日には「国内の温暖化ガス排出量を2020年までに1990年比25%削減する」という目標の達成に向けた、中長期のロードマップ(行程表)案が公表されました。いよいよ新しい環境規制の枠組みについて本格的な議論が始まるのか、と考えたいところですが、その道のりはまだまだ険しいようです。

 そんな“茨の道のり”を感じさせられたのが、3月9日に株式会社NTTデータスミスが公表した「世界24ヵ国地球温暖化意識調査」という興味深い調査報告です。同社のホームページ上でも公表されていますので、詳しい調査報告については、そちらをご覧いただきたいのですが、この調査報告を見て、環境問題に対する「日本人の思考停止パターン」を垣間見たような気がしました。

思いのほか低い!?
日本人の環境問題への危機感

 この調査では、「環境問題の深刻度」について、以下の8項目が挙げられています(【】内は、筆者分類)。

【経済発展に伴う、公害問題等】
(1)河川、湖沼、海洋の水質汚染
(2)大気汚染
(3)自動車の排気ガス

【人口増加等に伴う、天然資源の枯渇等】
(4)森林、農地、魚類などの天然資源の枯渇
(5)水資源不足

【気候変動や地球温暖化問題】
(6)温室効果がもたらす気候変動や地球温暖化
(7)予期できぬ天候がもたらす食糧不足

【生物多様性問題】
(8)動植物種の絶滅危惧

 こうした環境問題の各項目について、最も多くの日本人が「非常に深刻である」と答えたのは、「(6)温室効果がもたらす気候変動や地球温暖化」で、65%の人がそのように回答しています。

 先進国平均では「(4)森林、農地、魚類などの天然資源の枯渇(69%)」が、途上国平均では「(1)河川、湖沼、海洋の水質汚染(76%)」が、「非常に深刻である」と認識され、日本人の意識との違いを感じさせます。

 ちなみに、日本人が一番深刻と捉えた「(6)温室効果がもたらす気候変動や地球温暖化」については、先進国平均では60%(第4位)、途上国平均では68%(第6位)となっており、日本以外の国では“地球温暖化以外”の環境問題への危機感が強いことを示しています。

 総じて途上国平均では、ここで挙げられた環境問題の全ての項目に対して満遍なく危機感を覚えており、トップボックスの回答(「非常に深刻である」)は、8つの環境問題の平均値で71%に達しています。また、先進国平均においても、途上国には及ばないものの、環境問題への危機感は強く、「非常に深刻である」との回答は、8つの環境問題の平均値で59%に達しました。

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見山謙一郎 [立教大学AIIC特任准教授/フィールド・デザイン・ネットワークス代表]

1967年生まれ、埼玉県出身。90年立教大学法学部を卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。05年立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了(MBA)。同年10月に三井住友銀行を退職し、Mr.Childrenの桜井和寿等が設立したNPOバンク(ap bank)に理事として参画。09年2月に株式会社フィールド・デザイン・ネットワークスを設立し、代表取締役に就任。企業や金融機関に対する戦略・企画コンサルティングを行う。専門は、循環型(環境)ビジネス、ソーシャルビジネス、BOPビジネス及びファイナンス。立教大学AIIC「立教グラミン・クリエイティブラボ」副所長。多摩大学経営情報学部非常勤講師。
☆ご意見・お問合わせはこちら  ☆Twitterアカウント:ken_miyama


元銀行マンの准教授が語る 「腹に落ちる」環境学

ちまたにあふれる環境ニュースやキーワードの数々。近年のエコブームで「地球にやさしい」というところで思考停止してしまい、その本質を理解できていない人は意外と多い。当連載では、国やメディアに先導されたままの環境キーワードを取り上げ、「論理」と「感性」の両方を満たす、真の環境リテラシーについて考える。

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