海外進出からの撤退を考えている企業は4割を超えるなか、前回と前々回はその理由についてお話してきました。今回は、一方で海外進出に成功した企業の実例を紹介しながら、何が成功のカギだったのかをご説明したいと思います。
「この企業だからできたんだろう?」「たまたまだろう?」と思われるかもしれませんが、決して真似できないような難しい内容ではありません。ぜひ活用いただければと思います。
老舗かりんとう屋が挑んだ
ドバイマーケット
「ドバイでかりんとうは売れませんか?」
初めにお声がけいただいたとき、言われたのがこの言葉でした。今回ご紹介するある老舗かりんとう屋は、こだわりのあるかりんとう作りで国内でも広く知られた存在でした。しかし、国内需要の頭打ちが見えてきたため、海外での販売を逸早く検討していました。
その検討をする中で、日本の洋菓子屋であるヨックモック社が、ドバイで売上を伸ばしていると聞いたため、「うちのかりんとうも、もしかするとドバイで受け入れられるのでは?」と思い立ったのだそうです。
結果的にこの老舗かりんとう屋は、ドバイで大きな一歩を踏み出すことに成功しました。世界的な大手ホテルからの誘いや、ドバイのみならず近隣国からも大口の問い合わせが入り、新たな販路獲得に大きな活路を見出すことができました。驚くべきなのは、ドバイプロジェクトをスタートしてからわずか3ヵ月で、こうした成果が得られたことでしょう。
では、なぜ老舗のかりんとう屋が3ヵ月という超短期間で海外進出に成功できたのでしょうか。3つのポイントに絞ってご説明します。