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新国立は白紙なのに近隣ビルに開発優遇が残る不可解

週刊ダイヤモンド編集部
2015年8月25日
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文科省が作った年表は、2012年12月に神宮外苑地区で建物規制が緩和された重要事実が抜けている Photo by Kousuke Ooneda

 「ちょっと飛ばして、平成25年7月1日……」。新国立競技場の建設計画が白紙に戻った経緯を検証する第三者委員会が8月7日に開かれた。この席上、事務局である文部科学省のスポーツ・青少年局は委員に向け、同局が作成した一連の年表を丁寧に読み上げていたが、ある箇所を読み飛ばした。

 そこには「平成25年6月17日 東京都は、国立競技場が所在する神宮外苑地区の新たな都市計画(規制緩和等)を公示」と書かれていた。

 また、年表には不可解な点があった。2012年12月に新競技場の事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)が、高さ制限の規制緩和を前提に「神宮外苑地区計画」を作成し、東京都が承認したという事実が記されていない。この地区計画に基づき、都と外苑周辺の地権者が再開発を行う「まちづくりの覚書」を今年4月に締結した点も抜け落ちている。

 まるで、競技場建て替えと同時進行している神宮外苑一帯の再開発計画を隠したいかのようだ。

特例で高層ビルが可能に

 第三者委から3日後の10日、参議院予算委員会で民主党の蓮舫議員が、同地区開発の一つ、JSC本部が入居を予定するビルの新築計画にかみついた。

 ビルの建設費165億円のうち、47億円をJSCが負担。つまり、税金やスポーツ振興くじ(toto)の売り上げで建設費の一部が賄われる。巨額の費用が問題になって新競技場が白紙撤回されたにもかかわらず、その近隣に当事者が税金で新オフィスを造るのはいかがなものか、というわけだ。

 予算委では建設費が糾弾されたが、巨大競技場が白紙になってなお、このエリアで70メートルの高層ビルの建設が許されている奇妙さは指摘されなかった。

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