企業の人事部門では今、「研修の内製化」がひとつのキーワードになっている。どちらかといえばそれは、教育コストの削減という経営の要請が発火点になっているが、一方では内製化をポジティブにとらえ、成果を上げている企業もある。
6年ほど前から研修の内製化に取り組み、現在では100名を超える社内講師を抱えるソフトバンクは、その代表的な企業と言える。
内製化を成功に導き、成果を上げる秘訣について、ソフトバンク人材開発部の島村公俊氏に語ってもらった。
大前提は“仕事を通じた
経験が人を成長させる”
ソフトバンク人材開発部では、自社の事業戦略に合わせた人材を輩出していくことを大きなミッションとしています。
事業を動かすのは、まさに“人”であるので、必要な人材をどのように育成し、輩出すべきか、ということを考えることが大切になります。
そもそも、人材開発・人材育成というと、人事が社員を育てるというような非常におこがましい感じを受けます。
実際、われわれがいくら研修を実施したからといって、社員が理想の人材になるわけではありません。
あくまで、大前提として、“仕事を通じた経験が人を成長させる”ということに重きを置くことが大切だと思います。
したがって、いかに経験を積めるような環境を用意するのか、また、どのようにチャンスの幅を広げる施策を打てるのか、という視点で考えることが大切になります。
研修はあくまで成長するための下地やきっかけを与えるものであると考えています。