闇株新聞[2018年]

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「オリンパス事件の闇」を振り返る
[週刊闇株新聞]「オリンパス事件の闇」を振り返る

2015年9月1日公開(2022年3月29日更新)
闇株新聞編集部
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日本株や為替、世界経済に潜む闇を白日の下にさらけ出し、明快かつ独特な視点で切り込む刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」。今回は「闇株新聞」が広く知られるきっかけとなった「オリンパス事件の闇」を振り返る!

 闇株新聞は2010年10月にスタートしたニュースメディアです。「ニュース」と言っても事実関係を淡々と伝えるストレートニュースとは異なります。既存メディアの情報が本当に正しいのか、それを発信している側の目論見は何なのかまで踏み込んでお伝えすることを是としてきました。

 そうした数々の事件・事象の中で『闇株新聞』の名が広く認知されるきっかけとなったのが、「オリンパス事件」でした。

「闇株新聞」が暴いたオリンパス事件の闇

 この事件は2011年7月、月刊誌『FACTA』が「無謀M&A 巨額損失の怪」「オリンパスの尻尾はJブリッジ」と題する記事を報じたことに端を発します。

 内容は「オリンパスが08年3月期に売上高2億円にも満たない非上場3社を計700億円もの高額で買収しながら、有価証券報告書にほとんど記載せず、翌年こっそり減損処理している」「08年2月に売上高500億円、総資産1千億円ほどの英ジャイラス社を約2700億円で買収したのも無謀で不透明。菊川剛会長を筆頭とする経営陣が杜撰なM&Aを繰り返した裏には、経営実態のない投資助言会社や投資ファンドの影がある」(要約)というものでした。

 つまり、菊川会長が社長時代に投資で大失敗をやらかしたのに、説明もせず責任も取らず、未だに高額報酬をとって会長職の地位にあることを糾弾したもので、オリンパスが何のためにこのような企業買収を繰り返していたのかという「闇」は、まだ暴かれていなかったのです。

 当初、国内の主要メディアはこのスクープを黙殺していました。ところが、外電(ロイター)が「ジャイラス買収に際し、オリンパスは実態のわからない海外のペーパーカンパニーに約700億円もの報酬を支払っている」と報じて大騒ぎになります。

 それでも、この事件の本当の「闇」に迫るメディアは出てきませんでした。

 そうした中、『闇株新聞』は2011年10月「オリンパス事件の闇・第2幕」と題する記事で、この事件がバブル期の1980年代から延々と続けられてきた「財テク失敗の後始末」であることを「解説」します。

 すなわち、これは菊川前社長が指示した投資の失敗ではなく、歴代トップと財務担当役員の間で引き継がれてきた「飛ばし」(損失の先送り)であるという事件の輪郭を、初めて明らかにしたのです。

 その後も『闇株新聞』は、為替・債券・株式のトレーディング、私募ファイナンスの海外ヘッジファンドへの斡旋、企業再生等の経験から、知識に様々な肉付けを試みて独自の「実況中継」をすることができました。

 報道にミスリードがあればその都度指摘し、真実が明るみに出るたびに読者は「闇株新聞に書いてあったことは本当だった」と知ることとなったのです。

永遠に光の届かぬ闇もある――「闇株新聞」の編集方針

 報道があると間髪をおかずその背景と種明かしを掲載するので「事実を知っていたならなぜもっと早く書かないのか」と言われることもあります。

 しかし、こうした類の経済事件(あるいはまだ“事件”にはなっていない動き)は、起きた順・悪質な順に明るみに出るわけではないのです。また、“事件”になった場合でも、必ず「本質」が暴かれるとは限りません。闇から闇に葬られ、有耶無耶にされてしまうことも多いのです。

 ですから、『闇株新聞』はマスコミの報道が先行するまでは決して書かず、報道されたらすぐに「理解している真実」を伝えることを基本スタンスとしています。

 決してメジャーになることはありませんが、こうした実績が積み重なって、報道関係者、市場関係者、政治家、官僚、そしてニュース感度の高いコアな読者から支持をいただくニュースメディアとして、独自の運営を続けています。

 この連載では、その入り口となる情報をお伝えしていくことになりますが『闇株新聞プレミアム』(2552円/月額)では、さらに濃厚な情報を独自の視点・切り口で解説していきます。今、世界で何が起こっているのか、その裏側にはどんな闇が潜んでいるのか――日々のニュースを理解するうえでのセカンドオピニオンとして、活用していただければ幸甚です。

オリンパス事件のその後――葬られた闇

 ちなみに「オリンパス事件」ですが、去る7月1日に巨額損失隠しの「指南役」とされ、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)などに問われていた人物3名の有罪判決を以って幕引きとなりました。

 3名に下されたのはそれぞれ「懲役4年・罰金1000万円」「懲役3年・罰金600万円」「懲役2年(執行猶予4年)罰金400万円」と、合計約8億8300万円の追徴金でした。

 前会長ら旧経営陣3人にはすでに執行猶予付きの有罪判決、法人としてのオリンパスには罰金7億円の判決が確定しています。

 1200億円にも上る粉飾決算事件でしたが、罪に問われたのはこの3名のみ。事件解明も斜め上を行くシナリオで有耶無耶になりました。

この事件の闇はどこまでも深く複雑に入り組んでいて、ついに奥底にまで光が届くことはありませんでしたが、まだまだ闇株新聞はオリンパス事件を記事にする事がありそうです。

 

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