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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

日産はモータースポーツ活動をどう利益につなげたか

ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISMO)社長兼CEO・宮谷正一氏インタビュー

週刊ダイヤモンド編集部
2015年9月9日
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週刊ダイヤモンド9月12日号の第2特集は「自動車レースの経済学」。2015年、日系自動車メーカー大手3社が相次いでFIA(国際自動車連盟)公認の世界選手権への復帰を表明した、その思惑を描き出すものだ。ここでは、特集内では語りきれなかったキーマンのインタビューをロングバージョンでお届けする。(週刊ダイヤモンド編集部・池田光史)

――モータースポーツ活動が積極化しています。

みやたに・しょういち/1979年(昭和54年)九州大学経済学部卒業、日産自動車入社。2006年執行役員。10年よりニッサンモータースポーツインターナショナル社長。福岡県出身。

 日産自動車が何のためにモータースポーツをやっているかといえば、ブランドに貢献するというのが最大の理由です。そのためには、まず戦績を収めないといけない。実際、国内最高峰の「スーパーGT」でも結果を出しています。

 かつ、それをうまく伝えていくことも必要です。社内では、戦績とマーケティングの両輪で、ブランドに貢献しているかどうかを測っています。

 もっとも、それなりのレースに参戦して戦績を上げなければ、PR価値は薄れてしまう。だから、どういうレースに出るかは、日産社内で議論になります。

 今年、16年ぶりに参戦した世界耐久選手権(WEC)には、2013年末頃に「やるか」という話が出ました。レースの選定は、日産の担当副社長が議長を務める会議体で決めています。WEC復帰を決めた当時はアンディ・パーマー副社長。今はフィリップ・クラン副社長が議長で、私もそのメンバーの1人。その中で「このレースは意味がある、ない」と是々非々で決めています。

――なぜWECだったのですか。F1や国内のスーパーフォーミュラなど、フォーミュラ系には関心がないようにも見えます。

 モータースポーツは、どれほど自前の技術を“本当に”使うのかが、ブランド的な観点からも重要なポイントです。特に現場でレースに携わっている立場からすると、自前の技術にはこだわりたい。

 というのも、外から技術を買ってきて「日産」ブランドを付して走っても、勝てるかもしれないからです。自前の技術を磨くにこしたことはありませんが、それではコストが掛かるので、他社の技術だって使えるものは使います。

 技術を取るのか短期的なブランド向上を目指すのかは、バランスが難しい。要は、どの技術で勝負するかを見極めることが重要なんです。

 日産は技術視点でいうと、「環境技術」と「市販車との関係性」の2つを重視しています。

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