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日本一サービスにうるさい街で、 古すぎるキャバレーがなぜ愛され続けるのか
【第7回】 2015年9月17日
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山崎征一郎 [銀座・キャバレー「白いばら」元店長]

ノルマも罰金もないから
ホステスが協力しあえる「白いばら」

創業80年、伝説の老舗キャバレー、東京・銀座「白いばら」に50年間勤務し、名店長といわれた著者が、お客様のための創意工夫をはじめて明かした『日本一サービスにうるさい街で、古すぎるキャバレーがなぜ愛され続けるのか』から、抜粋してお届けしています。

 高級クラブのホステスたちの仕事はハードです。深夜〇時まで店で働いた後、アフターで午前二時、三時までお客さまと付き合うことになります。よほど根性がないと、日中に他の仕事をすることなどできないため、プロフェッショナルなホステスとして必死に指名を獲得しなければなりません。

 一方、白いばらにはノルマも罰金もありません。お客さまがホステスを何人でも指名できるようにしていますし(一般的に高級クラブでは、指名は一人に制限されている)、指名数の順位を争わせるようなこともしていません。そのため、お客さまを奪い合う必要がないんです。

 それに兼業している(昼には他の仕事をし、夜はホステスをする)素人が多いので、気持ちにゆとりがあります。

 だから、ホステス同士の仲が良くて、みんなで協力してお客さまを楽しませることを最優先できるのです。

 そんな和気あいあいとしたムードなので、お客さまにもリラックスして過ごしていただけます。ホステスもお客さまも、お互い私欲がありませんから、無理して見栄を張らなくていいんです。

 白いばらでも、日本がまだ豊かでなかった時代のホステスはもっと必死でしたが、今だってホステスたちはただ座っているわけではありません。兼業とは思えない働きぶりを見せてくれています。

 たとえば、常連さんの名前はもちろんのこと、何カ月前に誰と来たかまで記憶しているホステス、常連さんの領収書の宛名を完璧に記憶していて、お会計の際にお客さまを煩わせないホステス、常連さんのタバコを常にストックしておいて、接客中の席で常連さんのタバコが切れた時にスッと差し出すホステスもいます。

 また、落ち込んでいる常連さんをはげまそうと、とことんお酒を付き合い、酔いつぶれてしまって、その後、仕事にならなくなってしまったホステスもいます。

 白いばらには、人間関係を大切にする心のあるホステスが多いんです。

 もちろん、素人ゆえのデメリットもあります。昼に別の仕事をしているホステスは、どうしても毎日は出勤できません。多くて週三回程度になってしまいます。そういうホステスは、お客さまが指名したくても不在がちなため、お客さまも指名にこだわらなくなってしまうんです。

 ちなみに、白いばらには、二種類の指名の方法があります。一つは、お店に来た段階でホステスを指名する「本指名」。特定のホステス目当てに来られるお客さまはこの指名をします。料金は三〇〇〇円。そのお客さまの席は指名されたホステスが管理することになります。

 もう一つは、「場内指名」。店内で気に入ったホステスにチップ代わりに指名してあげたり、興味を持った子を自分の席に呼んでみたりする、言わば、お試しの指名です。料金は本指名の約半額です。

 ある新人ホステスが「指名をたくさん取るコツはなんですか?」とベテランホステスに聞いたところ、「とにかく、休まないこと。それだけよ」と答えが返ってきたそうです。

 

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山崎征一郎 [銀座・キャバレー「白いばら」元店長]

 

「白いばら」に50年間勤務し、店を支え続けた伝説の店長。
1941年、池袋生まれ。1960年、高 校卒業後、早稲田にあった予備校に入学。勉強がイヤで銀座を徘徊中、「ボーイさん募集」の看板を偶然見つけ、その日のうちに「白いばら」に入店する。翌 61年、高級クラブに移るが、62年に「白いばら」に再入店。1980年に店長に就任する。入店以来、2011年の退店まで50年間、ほとんど休まずに店 に立ち続けた。実直で飾らず、優しい人柄が多くの人に慕われ、経済界にも広い人脈を持ち、退店後の今もその関係は続いている。


日本一サービスにうるさい街で、 古すぎるキャバレーがなぜ愛され続けるのか

「白いばら」は銀座にただ1軒だけ残るキャバレー。創業80年以上の歴史を持つ老舗で、今でも200人以上のホステスが在籍し、連日多くの客で賑わっている。50年間お店に立ち続けた山崎元店長が初めて明かす「白いばら」が愛され続ける理由。
 

「日本一サービスにうるさい街で、 古すぎるキャバレーがなぜ愛され続けるのか」

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