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日本のブルー・オーシャン企業

最強の料理サイト「クックパッド」
2代目経営者が進める大転換

クックパッド代表執行役 穐田誉輝氏(前編)

入山章栄
2015年9月24日
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入山章栄氏の対談連載「日本のブルー・オーシャン企業」。第3回は、料理をする女性を中心に、日本で月間延べ5500万人が利用する日本最大のレシピサイトを運営するクックパッドの穐田誉輝代表執行役に話を伺う。元々は「価格.com」や「食べログ」の経営を行っていた穐田氏だが、2007年にクックパッド社外取締役に就任すると、2012年に創業者の佐野陽光氏から代表執行役の座を引き継いだ。以来、同社はさらに大胆な事業展開を進め、単なるレシピサイトから一変しつつある。誰もが知る超人気料理サイトは、今後どのように変貌するのか?それは、さらなるブルー・オーシャンを生むのか?

必要があればすべてやるだけ

入山章栄(以下:入山) 従来の料理レシピと言えば、「プロの料理人・料理研究家」が出すレシピ本やTV番組が常識でした。それをクックパッドさんは、一般の方が誰でもレシピを投稿できるようにすることで、「レシピを読むことも、投稿することもできる」という「料理のコミュニティ」をつくり、従来のレシピ本に興味の無かった層を顧客に変えてきました。この「プロの料理人・研究家を捨てて」「新しい顧客を開拓する」という辺りが、ブルー・オーシャンの発想そのものなんですよ。

穐田誉輝(あきた・よしてる)
クックパッド株式会社 代表執行役兼取締役
株式会社ジャフコ入社。株式会社カカクコム代表取締役を経て、2007年よりクックパッド株式会社取締役(現任)。2012年より同社代表執行役(現任)。

穐田誉輝(以下:穐田) へー、正直なところ、「解釈はいろいろあるんだな」って思いますね(笑)。自分たちのビジネスをブルー・オーシャンとかレッド・オーシャンで考えたことは無いです。

入山 それはそうですよね(笑)。とにかく、従来の事業から何かを取り除いて、顧客への価値提供に大きなメリハリをつけるというのが、ブルー・オーシャン戦略の特徴の一つなんです。クックパッドさんでは、何か「やる、やらない」と決めている部分はありますか。

穐田 前任の佐野(佐野陽光氏・創業者)が社長の時は、「Betterや、Goodはやらない、Bestしかやらない」と言ってました。でも、今の基準は基本的に、「違法なものはやらない」「人を不快にさせることはやらない」の2つだけです。他は全部やる可能性があります。そういった意味では、ブルー・オーシャン戦略には全然そぐわないわけですが…(笑)。顧客に求められれば全部やるよ、と言ってます。

入山 なるほど、それだけ訊くと全然ブルー・オーシャンじゃないですね(笑)。穐田さんの発想は、市場があって、自分たちの会社ができそうだと感じたら、とりあえずやってみるっていう感じなわけですね。

穐田 「あったら便利じゃない?」って思えば、どんどんサイトを改善して実装します。当社は「ユーザーファースト」を最も重要な価値観に据えています。その根本は、「自分自身が夢中になって使う」「自分の大切な人に自発的に勧めたくなる」ということです。自分が使わないものを世に出すことはしない、ということでもあります。

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世界で350万部、43ヵ国語で出版された『ブルー・オーシャン戦略』。その10年ぶりの新版がついに9月4日に日本で発売された。本連載では、その監訳者である早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄氏が、日本で「ブルー・オーシャン」を切り開いている経営者に迫る。

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