生き馬の目を抜く中国市場でも、特にインターネット市場は欧米や日本に負けないくらい競争が激しい。そんななか、日本人が経営する店舗にもかかわらず、中国最大のショッピングサイト「淘宝網」(タオバオ)で「上位0.2%」に入る高評価を得ているインターネット企業がある。それが、ベビー向け商品販売の「宝貝心願」を運営する上海欧貝薩諮詢有限公司(SHO Consulting)だ。同社は、日本人の想像を上回る中国人消費者の厳しいニーズにどのように対応しているのだろうか? 内田信・董事長に戦略を聞いた。

ベビー向け商品販売の「宝貝心願」を運営する上海欧貝薩諮詢有限公司(SHO Consulting)の内田信・董事長。厳しい消費者のお眼鏡にかなうネットビジネスを展開するための秘訣を語ってくれた。

――内田さんは、日系ネットビジネスの草分け的存在として、中国最大のショッピングサイト・淘宝網(タオバオ)でお店を営業されているとお聞きしています。

 2008年9月から「宝貝心願」というベビー向け商品(粉ミルクやオムツなどを中心に1600アイテム)を販売する店舗を淘宝網(C2Cサイト)で営業しています。

 最初は妻と2人で始めたネットビジネスですが、現在は従業員も7名に増え、お蔭様で、売り上げも月商100万元まで成長しています。また実際に弊社の店舗で商品を購入したお客様から、累積4.5万以上の「好」評価をいただき、その後間もなく3つの王冠マーク(淘宝網の中で上位0.2%の評価)を取得しています。

――淘宝網には、合計215万店舗も出店していると聞いています。その中で埋もれず、お客様に選ばれるということはとても大変なことではないでしょうか。過去のお客様からの評価の蓄積である「好」評価のレベルは、やはり重要でしょうか?

 その通りです。好評価の累積数により、ハート、ダイヤモンド、王冠(クラウン)、金皇冠とレベルが上がるようになっています。そしてそれぞれのレベルも、さらに1~5の段階に分かれています(例えばハート3つ、ダイヤモンド4つなど)。

 淘宝網に新規出店する場合には、当然過去の取引きはゼロのため、好評価(累積)レベルが「ハート1つ」からのスタートになります。最初は信頼が得られず、まず商品は売れないと思います。

 王冠1つ以上(好評価の累積1万以上)の店舗だけでも、淘宝網には2万店舗程度あるので、最低でもダイヤモンド1つ(好評価の累積250以上)くらいからスタートしないと商品を買ってもらえないでしょう。