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日本を元気にする企業の条件

いよいよ支給が始まる子ども手当
総額5兆円は日本企業を元気にするか

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第12回】 2010年4月16日
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 この6月から、「子ども手当」の支給が始まる。ご存知のように対象は中学生以下の子どもで、初年度は半額の1人1万3000円、来年度、満額が支給されるとすれば、1人2万6000円となる。

 1万3000円といっても、対象人数が多いので、支給総額は今年度で約2.2兆円、満額支給なら約5.3兆円と見積もられている。一時的な減税ではなく、制度としてこれだけ巨額のおカネが、いわば個人に補助金として支給されるのは初めてのことだ。「子ども」という名前こそついているものの、その中身はキャッシュだけに、このマネーはどこに流れ、どの業界を潤し、果たして新しい産業やサービスを生み出すのだろうか。

 ここにひとつの面白い調査がある。大和総研が20~30歳代の女性700人を対象に実施した「少子化対策としての子ども手当に関するアンケート調査」だ。「子ども手当は財源問題や景気刺激効果が焦点になることが多かったが、本来の目的である少子化対策としての分析がなされていなかった」(大和総研資本市場調査部・森祐司主任研究員)というのが、アンケートの問題意識である。

 アンケートで確認できたことは、少子化問題の原因としては、やはり経済的な要因が非常に大きいということ。「出産・子育てに経済的な不安を感じている」と回答した人は、700人中528人で75%に達した。では、2万6000円の支給で、その不安が取り除かれるかといえば、不安を感じている人のうち「解消に十分である」と答えた人は、約45%にとどまった。ちなみに、87%の人が解消に十分と答えた手当ての水準は、月額10万円。この結果から考えると、子どもたちの将来のために、使い道として最も優先順位が高いのは、貯蓄となりそうだ。

 一方、これまでは所得制限があるために、お金持ちはもらえなかった児童手当が廃止されて、所得制限のない子ども手当となるために、差し引きの収入の増加額は、高所得層ほど大きくなると試算されている(子どもが小学生か、中学生かによっても異なる)。教育投資などのいわばぜいたく品は、追加的な収入があると支出される傾向が強く、特に懐具合に余裕のある高所得層には、その傾向が強い。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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