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ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

投資しても絶対に儲からない
高利回り物件の見分け方

沖有人 [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]
【第5回】 2015年10月1日
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利回り重視派が飛びつきがちな
「高利回り物件」の落とし穴

最近、個人の不動産投資が増えているが、そこにはリスクもある。「利回り重視派」の個人が飛びつきがちな高利回り物件の意外な落とし穴とは?

 アベノミクスの時代、個人の不動産投資がかなり増えた。しかも、低金利と物件高騰の中、利回り確保に血眼になる「利回り星人」が増えている。前回、自宅投資の利回りの知られざる利回り法則を説明した。それはワンルームマンションなど個人の不動産投資にも適用できるだろうか。今回は売却という出口戦略の際に、「利回り星人」が飛びつきがちな高利回り物件の落とし穴についてお話ししよう。

 不動産融資が楽になった金融緩和の下、個人投資家が積極的になったのか、「儲かったお金は、北海道の利回り10%以上の高い物件に投資して増やしています」といった話をたまに聞く。

 地方は家賃・賃料が安いので、利回りを高くするには、家賃水準に比べて物件価格が割安の掘り出し物を探せば、利回りは確保できる。利回りとは、物件価格を賃料収入で割ったもので、投資の回収期間を知る目安ではある。利回りが高ければ回収期間が短いわけだが、実際に回収できる期間が30年を割る物件はほとんどないから、こんなことは意味がない。

前回、首都圏のマイホームの表面利回りは、2008年頃までにおおむね4%~5%程度のレンジの中に納まるようになった事実と経過を説明した。利回りの収斂は、割高(利回りが低い)な郊外の物件価格が下がり、割安(利回りが高い)な都心の物件の価格が上がったことを通じて、裁定(アービトラージ)で調整されるメカニズムを解説した。

 ただ、私は「住み替え」を提唱しており、表面利回りだけが自宅投資の尺度ではないと述べた。住み替えには、買った物件の売却が必要になる。だから、買ったときの価格と売ったときの価格の差が重要になるわけだ。

 では、投資物件ではどうなのだろうか?

 賃貸住宅(1棟もの)ビッグデータを持つ弊社は、その投資価値を都道府県別に調べてみた。表面利回りが一番低いのは、東京都で6%程度。一番高いのは北海道で9%となったため、北海道への投資が「お得」と思える。しかし、築後20年の表面利回りは東京が8%程度とあまり下がらないのに対して、北海道では9%から18%程度に大きく下がった。表面利回りが2倍になるということは、価格は半値以下になっていることを示している。

 つまり、不動産投資は出口(売却)まで考えると話は違ってくるというわけだ。結果として、売却損益まで入れた総合利回りは、驚くことに47都道府県でどこでもほぼ同じような成績となった。

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沖有人(おき・ゆうじん) [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、2社を経て、1998年、現スタイルアクト株式会社を設立。マンション購入・売却者向けの「住まいサーフィン」は17万人以上の会員を擁する。「タワーマンション節税」などの不動産を使った節税の実践コンサルティングに定評があり、不動産分野でのベストセラー作家として講演・寄稿・取材・テレビ出演多数。主な著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書、2012年)、『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社、2013年)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書、2014年)など。


ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

不動産は個人資産の半分を占めるにもかかわらず、プロとの情報格差が大きい。この情報格差を少しでも解消できれば、個人はもっと多角的な視点から「よい物件」を選ぶことができ、将来を見据えた資産形成が可能となる。「自宅投資」「資産インフレ予測」「タワーマンション節税」などをメディアで提唱し、新たなムーブメントを起こしてきたスタイルアクト株式会社の沖有人代表取締役が、これまで蓄積した「不動産ビッグデータ」を基に、住宅の選び方に関する「新しい常識」を徹底指南する。スタイルアクトが自宅を投資になぞらえて情報提供している「住まいサーフィン」では、17万人の会員のうち、自宅査定ツールで7割が含み益を出していることから、資産形成した人数は12万人相当と想定される。株や投資信託のように学習することで、プロ顔負けの資産形成ができる手法はある。沖社長が次に提示する不動産の秘策は、これまで同様「早い者勝ち」となるかもしれない。

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