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元銀行マンの准教授が語る 「腹に落ちる」環境学

良いブレ方? 悪いブレ方?
普天間問題で、鳩山首相の発言が「ブレる」ワケ

――鳩山首相に「いま一番必要なもの」とは?

見山謙一郎 [立教大学AIIC特任准教授/フィールド・デザイン・ネットワークス代表]
【第15回】 2010年4月20日
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 沖縄の米軍普天間基地移設問題の「5月末決着」の話が迷走を続けています。各メディアでは、鳩山首相の“発言のブレ”が話題となっています。この“ブレる”という言葉に対しては、鳩山首相に限らず、現政権は必要以上に敏感になっているように思えてなりません。

 それは、普天間基地移設問題のみならず、マニフェストに対しても、何とか辻褄を合せようとする現政権の姿勢からも明らかです。しかし、無理に辻褄を合せようとすればするほど、帳尻が合わなくなり、議論は迷走を続けることになります。

 そもそも、「発言がブレる」その理由とは、国民の立場か、沖縄県民の立場か、はたまたアメリカを気にしているのか、連立与党に配慮しているのか・・・など、鳩山首相の「立ち位置」が定まらないことに原因があるように思います。こうした現政権の立ち位置が定まらないことが、政策実行力(完結力)の欠如に繋がっていくことが気がかりです。

「朝令暮改」は、
本当に悪いことなのか?

 「うちの社長は、その日の朝、指示したとことが、夕方にはガラッと変わることがよくあります。まさに朝令暮改そのものですね(笑)」

 「うちの社長は、朝令暮改どころか、朝令昼改ですよ(笑)」

 この2つの会話は、いずれもオーナー系企業の社長側近から伺った言葉です。

 発言内容がコロっと変わるという意味では、政治の世界と同じような気もしますが、この方々は「社長の発言がブレる」とは言っていません。「朝令暮改(朝令昼改)」=「発言がブレる」ということでは、どうもなさそうです。

 「発言がブレる」とは、発言内容を変えることにあらず、視座や軸が定まらずフラフラしている、ということです。先程紹介した企業は、いずれもいま大変勢いのある企業ですが、こうした社長が朝令暮改や朝令昼改を行なうのは、自分自身の行動指針や思考の指針、すなわち「確固たる視座」や「揺らぎない軸」というものをしっかりと持ったうえで、

○情報の収集、整理を行なう
○常に動いている内外の状況を冷静に分析、把握する
○状況を踏まえて、情報の統合作業を行なう

といったことを常に心掛けている結果なのだと思います。インプットされる情報が追加、変更されれば、情報の統合作業にも影響が及びますから、アウトプットは当然変わることもあり得ます。

 また、インプットされる情報は変わらずとも、内外の状況が常に変化していることを考えると、時間軸が異動すれば(たとえ朝から昼という短い時間軸の異動であっても)、アウトプットは変わることもあるでしょう。

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見山謙一郎 [立教大学AIIC特任准教授/フィールド・デザイン・ネットワークス代表]

1967年生まれ、埼玉県出身。90年立教大学法学部を卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。05年立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了(MBA)。同年10月に三井住友銀行を退職し、Mr.Childrenの桜井和寿等が設立したNPOバンク(ap bank)に理事として参画。09年2月に株式会社フィールド・デザイン・ネットワークスを設立し、代表取締役に就任。企業や金融機関に対する戦略・企画コンサルティングを行う。専門は、循環型(環境)ビジネス、ソーシャルビジネス、BOPビジネス及びファイナンス。立教大学AIIC「立教グラミン・クリエイティブラボ」副所長。多摩大学経営情報学部非常勤講師。
☆ご意見・お問合わせはこちら  ☆Twitterアカウント:ken_miyama


元銀行マンの准教授が語る 「腹に落ちる」環境学

ちまたにあふれる環境ニュースやキーワードの数々。近年のエコブームで「地球にやさしい」というところで思考停止してしまい、その本質を理解できていない人は意外と多い。当連載では、国やメディアに先導されたままの環境キーワードを取り上げ、「論理」と「感性」の両方を満たす、真の環境リテラシーについて考える。

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