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ハーバードの知性に学ぶ「日本論」 佐藤智恵

米自動車メーカーも学ぶトヨタのすごい組織づくり

エイミー・エドモンドソン教授に聞く(1)

佐藤智恵 [作家/コンサルタント]
【第8回】 2015年10月14日
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エイミー・エドモンドソン
Amy Edmondson
ハーバードビジネススクール教授。専門はリーダーシップと経営管理。同校のMBAプログラム及びエグゼクティブプログラムにてリーダーシップ、チームワーク、イノベーションなどを教えている。2013年、Thinkers50「世界で最も影響力のあるビジネス思想家50人」で第15位にランクインした。多数の受賞歴があり2006年にはカミングス賞(米国経営学会)、2004年にはアクセンチュア賞を受賞。世界各国で講演やコンサルティングも行っている。近著に『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』(英治出版)。2016年には最新刊“Building the Future”(Berrett-Koehler, 2016)を出版予定。

「トヨタ自動車は日本企業の中でも別格」とハーバードの日本人学生は言う。様々な授業で“エクセレントカンパニー”として紹介されているトヨタ自動車。エイミー・エドモンドソン教授は、その組織と社員の働き方に注目する。

エイミー・エドモンドソン教授は「世界で最も影響力のあるビジネス思想家50人」に何度も選出されている世界的な経営学者。アメリカで2012年に発表した著書『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』で、チーミング(Teaming=部門、職種、職位を超えたフラットなチームで協働する)という新しい働き方を提案し、話題を集めた。ビジネスがどんどん複雑になる中、どのような組織や評価の仕組みが必要なのか。話を伺った。(聞き手/佐藤智恵 インタビューは2015年6月24日)

学習しながら変わり続けるトヨタ

佐藤 著書『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』では、組織にはルーティン業務、イノベーション業務、その中間の複雑な業務の3つがあって、それらを仕事の内容、あるいは自分が所属する部署によって使い分けなくてはならないことを、説明しています。

 大量生産時代にはルーティン業務が多かったですが、現在はイノベーション業務が増えています。そのため、ピラミッド型組織ではうまく機能しなくなってきて、フラット型組織が混在するようになった、ということですね。そこで“チーミング”(チームで働くこと)が威力を発揮するようになりました。

エドモンドソン こちらの図表「プロセス知識のスペクトル」で説明しましょう。

 左側はルーティン業務です。この仕事をすればこういう結果が得られるということがはっきり分かっていて、知識も十分に蓄積されています。完璧な品質管理と高い効率性を求められる部門です。こうした職場で効率を追求するのは正しいのです。

 それと真逆なのが、右側のイノベーションを生み出す業務です。新しいことにチャレンジする部署ですから、マニュアルもありません。社員は結果が見えない中で試行錯誤を続けなければなりません。こうした職場で効率を追求しても無意味なこと。賢く実験していくことが必要なのです。

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佐藤智恵 [作家/コンサルタント]

1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、2000年退局。2001年米コロンビア大学経営大学院卒業(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官。近年はテレビ番組のコメンテーターも務めている。主な著書に「世界最高MBAの授業」(東洋経済新報社)、「世界のエリートの「失敗力」」(PHPビジネス新書)、「ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか」(日経BP社) 
佐藤智恵オフィシャルウェブサイト:http://www.satochie.com


ハーバードの知性に学ぶ「日本論」 佐藤智恵

世界に数多くのスーパーエリートを輩出してきたハーバードビジネススクール。その授業では、「日本」が教材となることも少なくないという。この連載では、作家・コンサルタントとして活躍する佐藤智恵さんがハーバード大学の教授たちにインタビュー。「なぜ日本(企業)について教えるのか」「日本はどのように世界に貢献できるか」など、示唆に富んだインタビューを通じて、ハーバードの知性が教える「日本論」を学ぶ。

「ハーバードの知性に学ぶ「日本論」 佐藤智恵」

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