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「引きこもり」するオトナたち

40代の再就職難民を増殖させる
ハローワークの不都合な真実

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第247回】 2015年10月8日
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40代以降の再就職には、厳しい現実が待ち構えている

 大阪府に住む40歳代男性のAさんは、大学卒業後、大手企業の技術職として勤めていた。

 しかし、リーマンショックの頃に、上司との人間関係が原因で会社を退職。その後、なかなか再就職先が見つからないため、ここ数年は自宅ですることもなく、引きこもらざるを得ない状態に陥っている。

 中学高校時代は人気者で、クラスメートを笑わせるのが好きだった。そんな明るいキャラクターゆえ、同窓会にもこれまでは欠かさず出席していた。

 それが会社を辞めてから、同窓会の誘いがあったとき「仕事もしていなくてみじめだから、行きたくない」と断った。

 「何言ってんだ。おまえが来なきゃ盛り上がらないだろ」

 何も知らない同窓生から無理やり引っ張り出されて、余計に落ち込むことになり、人脈も閉ざした。

仕事が欲しいだけなのに
勧められるのは「精神科の受診」

 そんなAさんがとくに憤慨するのは、「ハローワークの真実」に対してだ。

 「最初の頃、相談に行くと、中には気のいいおじさんとかいて、いろいろ話すんですが、気合論しか言わない。なかなか効果的な話につながっていかないんです」

 Aさんによれば、ハローワークでよく言われるのは、主に次の3点だという。

 「とにかく履歴書を出しなさい」
 「めげない」
 「しんどくなったら、精神科医へ通いなさい」

 とはいえ、正規社員の仕事さえ決まれば、元気になって精神科へ行く必要もないと、Aさんは言う。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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