大阪府に住む40歳代男性のAさんは、大学卒業後、大手企業の技術職として勤めていた。
しかし、リーマンショックの頃に、上司との人間関係が原因で会社を退職。その後、なかなか再就職先が見つからないため、ここ数年は自宅ですることもなく、引きこもらざるを得ない状態に陥っている。
中学高校時代は人気者で、クラスメートを笑わせるのが好きだった。そんな明るいキャラクターゆえ、同窓会にもこれまでは欠かさず出席していた。
それが会社を辞めてから、同窓会の誘いがあったとき「仕事もしていなくてみじめだから、行きたくない」と断った。
「何言ってんだ。おまえが来なきゃ盛り上がらないだろ」
何も知らない同窓生から無理やり引っ張り出されて、余計に落ち込むことになり、人脈も閉ざした。
仕事が欲しいだけなのに
勧められるのは「精神科の受診」
そんなAさんがとくに憤慨するのは、「ハローワークの真実」に対してだ。
「最初の頃、相談に行くと、中には気のいいおじさんとかいて、いろいろ話すんですが、気合論しか言わない。なかなか効果的な話につながっていかないんです」
Aさんによれば、ハローワークでよく言われるのは、主に次の3点だという。
「とにかく履歴書を出しなさい」
「めげない」
「しんどくなったら、精神科医へ通いなさい」
とはいえ、正規社員の仕事さえ決まれば、元気になって精神科へ行く必要もないと、Aさんは言う。