ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
イノベーション的発想を磨く

なぜ、グーグルは社員が自ら120%で働くのか?

~『ワーク・ルールズ!』(ラズロ・ボック著)を読む

情報工場
【第2回】 2015年10月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

社員6万人になっても
ベンチャー精神を維持する考え方とは?

『ワーク・ルールズ!』 ラズロ・ボック 著
鬼澤 忍/矢羽野 薫訳
東洋経済新報社 1980円(税別)

 Googleという会社を今や知らない人はいないだろう。検索エンジンをはじめ、GmailやGoogle MapやYouTube、モバイルOSのAndroidなど、同社のサービスや製品にいっさい触れずにIT社会を生きて行くのは不可能だ。

 さらに最近では、自動運転車、人工知能、ロボットなど最先端の技術開発にも多くのリソースを投入するなど、未来志向の取り組みでも注目を集めている。

 そんな同社は、スタンフォード大学の大学院博士課程に在籍していたラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏の二人が、大学の研究プロジェクトで開発した検索エンジンをベースに起業した小さなベンチャー企業だった。

 その後16年間で、40ヵ国以上に70を越えるオフィスを構え、売上高660億ドル(2014年12月期)、社員数約6万人のグローバル企業へと急成長した。しかし、これだけの大企業に成長した今でも、守りに入ったり官僚的になったりはしていない。むしろますます自由闊達に新たなイノベーションに挑戦し、成果を出し続けているようにみえる。

 本書は、イノベーションを生み続けるGoogleの組織づくりのルールを、同社の人事担当上級副社長を務めるラズロ・ボック氏が書き下ろした大著だ。同氏は1972年共産主義政権下のルーマニア生まれ。家族とともに自由を求めてルーマニアを脱出した経験をもつ。その後マッキンゼーやGEでの勤務を経て、2006年にGoogle入社。従業員が6000人から6万人に増えていく過程で、Google社の人事システムを設計し、進化させてきた張本人だ。

 本書に書かれているもっとも重要なメッセージは、「採用がすべてだ」ではないかと思う。Googleのように現場主導で発展する企業をつくるために、いちばん重要なことは、企業のミッションに適した人材を集めること、そしてその人材に120%の力を発揮させることなのではないか。自社の現状を簡単に評価したければ、採用にかかっているコストと、教育にかかっているコストを比較してみるとよい。もし教育により多くのコストがかかっているようであれば、考え方を変えるべきなのだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

情報工場

2005年創業。厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。国内の書籍だけではなく、まだ日本で出版されていない、欧米・アジアなどの海外で話題の書籍もいち早く日本語のダイジェストにして配信。上場企業の経営層・管理職を中心に約6万人のビジネスパーソンが利用中。

浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


イノベーション的発想を磨く

経営戦略を描くヒントになる、イノベーションのヒントになる、マネジメント層のための知恵袋になる…。経営層・管理職に本当に役立つ書籍を厳選して紹介。

「イノベーション的発想を磨く」

⇒バックナンバー一覧