「社内が“タコツボ状態”になっている」
コンサルタント気取りでこういった発言をする上司がいる。部下は、それを批判することがなかなかできない。
連載13回目は、コンサルタントのマネをする、ジコチューな上司とぶつかった男性社員を紹介しよう。
あなたの職場にこういう上司がいたら、どうするか?
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■今回の主人公――はい上がろうとする「負け組社員」
若園 宏(34歳・仮名)
都心にあるスポーツ用品製造販売会社に勤務。社員数600人。売り上げや利益はこの15年ほど、伸び悩んでいる。創業40年近くになり、社員の平均年齢は30代半ばになった。会社は、いわば「金属疲労」になりつつある。若園は、企画部の中にある経営企画課に勤務。その部署の責任者である課長の考えに、疑問を感じつつあった。
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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)
情報や意識の共有を阻害するのは自分?
“愛犬”を率いて職場を占拠する課長
車内に男の甲高い声が聞こえる。
「昨日、経済番組で“ナレッジマネジメント”が取り上げられていた。いくつかの会社が紹介されていたけど、うちとはほど遠いよ」
「……そうですか……」
「うちは、それぞれの部署がまるで独立した会社みたい。あれじゃ“タコツボ状態”じゃないか?」