「GMS(総合スーパー)の閉鎖は基本的に考えていない。全てピカピカの店へとつくり替えていく」
10月7日、イオンの2015年度上半期決算説明会。GMS事業の中核を担うイオンリテールの岡崎双一社長は、店舗閉鎖を決めた競合と一線を画す姿勢を強調した。
流通大手の上半期決算は、GMSの苦境を鮮明に示すものだった。
例えば最大手のセブン&アイ・ホールディングスは、絶好調のコンビニエンスストア事業のおかげで過去最高益を記録。しかし、GMS事業を担うイトーヨーカ堂は90億円の赤字となり、中間決算では5年ぶりの赤字へと転落した。
ファミリーマートとの経営統合を控えたユニーグループ・ホールディングスは、GMS事業で24億円の黒字を確保したが、前年同期と比べ12億円もの減益となった。
こうした状況を受け、両社共に店舗閉鎖の方針を打ち出す。セブンは収益改善できない40店程度の閉鎖を、ユニーも最大約50店の閉鎖を検討している。
イオンも決して例外ではなく、営業利益こそ前年同期比約6割増の722億円と回復したが、本業のGMS事業は87億円の営業赤字。赤字幅が前年同期から43億円も拡大したにもかかわらず、店舗閉鎖はしない方針なのだ。