「石にかじりついてでもという意欲がないのか。一体、何年やっているんだ。これ以上赤字を出すようならやめるしかないぞ!」
今夏、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は、傘下の総合スーパー(GMS)イトーヨーカ堂の店長ら幹部たちを激しい口調で叱責した。
セブン&アイ全体では、セブン-イレブンの好調さを背景に2015年3~8月の連結営業利益は過去最高を更新したもよう。だが、ヨーカ堂単体では営業赤字に陥っていたからだ。
鈴木会長は、ヨーカ堂に対して長年にわたって改革を迫ってきたが、思いは浸透せず業績は低迷、業を煮やしついに決断を下す。全国で展開する181店の2割に当たる40店の閉鎖を決めたのだ。
セブン&アイによれば、まず16年2月期中に数店を閉鎖、20年2月期まで毎年10店前後のペースで閉めていくという。
閉鎖店舗については、土地の所有者との契約などもあり、現在、精査中としているが、都心、地方にかかわらず、同一商圏内に大型ショッピングセンターを建設した店舗や、不採算が続く店舗などが対象となるとみられている。