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「引きこもり」するオトナたち

「あなたのためだから」と
子どもを一生支配する“毒親”の恐怖

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第248回】 2015年10月22日
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あなたの親は“毒親”ではなかっただろうか?

 子どもを支配し、一生にわたって苦しめる「毒親」。こうした感情の暴力で子どもを支配し、苦しめる「毒親」を持つことになったために、引きこもらざるを得ない生活が長引く人たちもいる。

 親子間の紛争解決は、引きこもり状態にある本人や家族に限らず、家庭内の究極のテーマだ。

 10月11日、宇都宮市内で開催された「ひきこもり大学KHJ全国キャラバンin栃木」では、2人の男女講師が、共に「心理学部」として、「親子間の紛争解決」を学科名に取り上げた。会場は、100人近い家族や本人、一般参加者の熱気に包まれた。

 親は辛い時も“精神論”を強要
「誰にも助けてもらえない」

 1人目の講師は、「たいち」さん(38歳)。

 「物心ついたときから怖くて、何も動けなかった」と明かすたいちさん。

 子どもの頃、学校で神経をものすごく使いまくった。友達から「絶交」などと言われると、親からも精神論を強要されるだけで、誰にも助けてもらえないような恐怖に覆われて、ずっと泣いていた。

 その影響で、大学までは何とか入学したものの、傷つけられてきたときの悪いことが頭にあって自滅してしまう。大学中退後も、仕事をしようとすると、なかなか身体が反応できない。神経が集中できないくらい弱ってしまって、いまも仕事に就けずにいる。

 フリースペースへ行って、同じような状況の人たちとなら話がしやすいことがわかり、いろんなことを話すうちに、だんだん心が落ち着いてきた。

 このまま親と同居していると、いまの状態から抜け出せない。たいちさんは、カウンセラーの助けを借り、父親の「無理だ」という制止を振り切って、1人暮らしを始めた。

 「いろんなことが見えてきて、感情的なケンカ状態に陥ってしまう両親に対しても、世の中の価値観の不安や心配に振り回されて言っている。僕が振り回されなきゃいいんだ、と考えるようになったら楽になりました」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


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「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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