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高橋洋一の俗論を撃つ!

安倍政権の改造人事で
“消費再増税回避”の可能性が高まった

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第131回】 2015年10月22日
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改造人事の本当の目玉は
自民党税調会長の交代

消費再増税と軽減税率の是非については、さまざまな政治的思惑が渦巻く

 先の内閣改造は、加藤勝信・一億総活躍担当大臣が目玉になったが、その略称を「1億相」とするかどうかなど、政策面以外で話題になってしまった。筆者は、元財務官僚であった加藤氏を知っているが、誠実な人柄でスタンドプレーをしない人なので、じっくりと政策をできる大臣を担当すれば良かったと思っている。

 実は先の人事の本当の目玉は、自民党税制調査会長であった。内閣改造から1週間後の10月14日、自民党の税調会長に宮沢洋一・前経産相の起用が決まり、野田毅氏は事実上更迭された。

 野田氏は、その直前に秘書が覚醒剤使用疑いで逮捕された。それが報道されたのが、内閣改造があった7日。しかし、逮捕は10月1日。さらに、その前日の9月30日に野田氏の秘書が退職している。

 この一連の動きを見て、多少政治をかじった人ならピンとこないはずはない。まったく確証はなく、筆者の邪推にすぎないが、秘書の覚醒剤使用疑いに野田氏側がいち早く気づき、秘書を予め退職させ、その後逮捕。この間の動きを官邸は正確に把握した上で、内閣改造人事を行い、その一週間後に税調人事を行ったと読める。

 野田氏の身動きが取れないのを見越して、安倍首相は「聖域」といわれた税調の人事に手を入れたとされている。もちろん、政策面では、欧州型の軽減税率について野田氏は慎重派とされ、導入したい公明と対立していたので、公明との協議を進めるためだ。つまり、来年の参院選を見据えたものだ。その参院選の公約には2017年4月からの10%への消費再増税の是非が書かれるはずなので、これが消費再増税の帰趨を握るといってもよい。

 後任の宮沢氏はどのような人物なのか。安倍政権、財務省、与党の思惑はどうなのか。軽減税率の落とし所や、消費再増税の行方が気になるところだ。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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