ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
山崎元のマルチスコープ

“面倒くさい”消費税問題の論点を整理する

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第394回】 2015年9月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

ややこしい消費税の議論
問題点は3つに整理できる

消費税をめぐる議論は、複数の問題と利害が絡み合い、ややこしい

 2017年4月に予定されている消費税率の引き上げの際に、特定品目に対する軽減税率を適用する方法として財務省が提示したのは、買い物の際にマイナンバーカードを提示し、データセンターにポイントを貯めて、後から軽減相当額が1人につき4000円程度を上限に還ってくる、という斬新なアイデアだった。

 これに対して、麻生財務相が「面倒くさい」と述べたのを筆頭として、各方面から疑問や批判が相次いでいる(筆者には少数に見えるが、「正しい」と評価する声もある)。

 軽減税率は、前回総選挙の際から導入が取り沙汰されていたが、対象品目の指定に利害が絡むことや品目別の課税にはインボイス(税額票)方式の導入が望ましいことなどもあってか、具体的な方法がなかなか提示されなかった。おそらく、マイナンバー法の成立を待った事情によるものと推察されるが、いかにも唐突な形での発表となった。

 また、世界の資本市場に「チャイナショック」の影響が及び中国の景気後退の影響が懸念される一方、原油価格の大幅下落などで、アベノミクスが標榜する「物価上昇率2%」の達成が遠のく環境にある。そもそも、消費税率を予定通り2017年4月に10%に引き上げていいのか、という疑問の声も上がり始めた。

 今回の財務省案が仮にすんなり認められたとしても、小売店舗でのマイナンバーカード読み取り端末の整備をはじめとして、実現には時間がかかりそうであり、税率の10%への引き上げに間に合わないなど多くの問題が発生しそうだ。また、率直に言って、この案がすんなり通るとは想像しがたい。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


山崎元のマルチスコープ

旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。

「山崎元のマルチスコープ」

⇒バックナンバー一覧