「なんじゃこりゃ」と言われた著者が
がむしゃらに学んだ「這い上がりプレゼン術」

 読者の皆さんは「プレゼンが得意」だろうか? 著者は外国人向けプレゼンであれば、シンガポールに来たばかりの12年前であっても「Yes!」と答えることができる。

 シンガポールにあるマイクロソフトに転職したばかりの頃。日本人は自分だけしかいないチームで、ある日プレゼン資料の作成を頼まれた。そのとき著者は「いいところを見せるチャンス!」と密かにほくそ笑んだ。

プレゼンはサザエさんに学べ!<br />達人から学んだ最強プレゼン術日本人のプレゼンは海外ではわかりづらく、「なんじゃこりゃ?」と言われることもしばしばだ。グローバル時代に必要なプレゼン力の身に付け方とは?

 そう、著者は過去のコンサル時代に幾度となく海外出張で飛び回り、2回のアメリカ駐在時に外国人を率いたプロマネを務めてきた経験があり、海外との仕事は得意とするところであった。

 しかし、称賛を受けるはずであったプレゼンの場で、著者は驚きの言葉を受ける。

「なんじゃこりゃ!?資料の中に矢印や線が入り組み、何を表現しているのかわからん」

 日本らしい細やかな図と色鮮やかな絵に溢れた美しい自信作が、まさかのダメ出し。私は恥ずかしさと絶望感で、ボーゼンと立ち尽くしてしまった。

 ちなみにその後、私の資料はグローバル式に移行していったのだが、一部のチームメンバーからは日本式は好評で、「見慣れたらわかりやすい」とわざわざ日本式の資料作成を頼まれることもあった。

 しっかり説明すると、とてもわかりやすく思考や論理が進むと評価されたのだ。TPOによっては日本式プレゼンも悪くないと、自信を取り戻したことを覚えている。とはいえ、日本人は圧倒的に外国人よりもプレゼン経験が足りず、スキルが劣ることは紛れもない事実だ。

 著者はそのボーゼンと立ち尽くした事件以降、プレゼンを技法として学んだ外国人、学生時代にディベート部で他者に与えるイメージを研究してきたプレゼンの達人たちに頭を下げ、とっておきのプレゼン術をいくつも教えてもらった。

 今回ははその中から、選りすぐりの「達人たちが実践している最強プレゼンテクニック」を紹介しようと思う。