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【福井県】京の都の影響を受けつつ
よく働き、現状に満足

都道府県データ:Vol.37

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第37回】 2010年5月11日
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 山椒は小粒でもピリリと辛い──そんな言葉がいかにも似合いそうなのが福井県である。北陸三県(福井、石川、富山)のなかで人口はいちばん少ない。だが、信仰心の強さ、伝統的な価値観の重視といった面では他を圧している。そして、それは京都の影響を抜きに語れない。

 確かに、福井県は京都に近い。京都に暮らす人たちが夏、海に遊びに出る場合、行き先はほとんどが若狭湾という話を聞くと、その近さが実感できる。若狭湾で獲れたサバを、少しでも新鮮なうちに都人に食べてもらおうというので利用されたのが鯖街道であった。

 言うまでもないが、京都は平安時代以来、日本の宗教界の中心だったし、現代にもつながるわが国固有の文化や風俗・習慣の淵源である。その京都とすぐ隣り合わせで暮らす福井県人が、そうしたことに由来する気質を持ち合わせていても不思議ではないだろう。

「今の生活に満足している」県民は9割!
1世帯当たりの貯蓄金残高が全国ナンバーワン

 ただし、京都人には首都ならではの見栄がある。天子様の身近なところでみっともないことはできないという意識が働くからだろう。だが、その点、福井県人は楽かもしれない。見栄より実利を重んじることができるからだ。

 「今の生活に満足している」人の割合は県民の9割近いし、「いろいろなことがあっても、今の日本はまあよい社会だ」と思っている人の割合も全国で4番目に多い。「天皇は尊敬すべき存在」と考えている人は、なんと全国一である。

 1世帯当たりの貯蓄金残高が全国ナンバーワンというのも興味深い。都での権力争いや、それに敗れたときの姿を間近で見てきているため、ふだんから備えを怠ってはならないという、用心深さがあるのだ。そのせいもあってか、福井県人は男女を問わず、働き者が多い。

 このあたり、江戸時代この地を治めていた松平氏の家風に通じるものもある。松平氏といえば、西三河(愛知県)出身の徳川氏の流れをくみ、勤勉と堅実が持ち味だ。そのあたりを上手に持ち上げると、「結果」を出そうと、福井県人は懸命にがんばってくれるはずである。


◆福井県データ◆県庁所在地:福井市/
県知事:西川一誠/人口:80万5772人(H22年)/面積:4190平方キロメートル/農業産出額:448億円(H19年)/県の木:松/県の花:スイセン/県の鳥:ツグミ

データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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