ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

中国要因では説明しきれない米国景気減速の真相

鈴木敏之 三菱東京UFJ銀行 シニアマーケット エコノミスト

鈴木敏之 [三菱東京UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ シニアマーケット エコノミスト]
2015年10月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
今回のFOMCでFRBは12月利上げの方針を打ち出したが…。写真は前回FOMC時のイエレンFRB議長 Photo:Federalreserve

 米国の景気拡大の変調を示す数字が並びだしている。米国が利上げに動くことが、世界経済や株式市場の重石になっているが、この経済状態で、はたして利上げに進めるのか、懐疑的な見方も出てきた。米国の変調の要因を見極める必要がある。

米国景気に減速・変調の気配
FRBの景気判断も弱気に

 米国経済は、リーマンショックから6年で右肩上がりを常態とする成長軌道に乗っている。自動車は年率1807万台も売れ、失業率は5.1%まで下がっており、早く下がり過ぎたことが心配されるほどである。

 その中で、景気拡大の減速、変調を示す数字が並びだしてきた。

 景気の先行指標となるISM景況指数は低下基調にあり(図表1参照)、ISM製造業景気指数は9月に50.2まで低下した。この指数が50を割る状態が続くときには、多くの場合、2期連続マイナス成長の景気後退(リセッション)に陥っているので、その瀬戸際である50.2というのは緊張を感じさせる。

 また、非農業部門雇用者の増加数は8月、9月と2ヵ月連続して20万人を割った。この数では、就労可能な年齢層の人口の増加を賄えない。また、9月の賃金(平均時給)は、前月比不変であった。これは、いくら失業率が下がって労働需給が引き締まってきていても、賃金上昇に結びついていないことを示している。9月の全米経済活動指数(CFNAI)も▲0.39というマイナスの数字であった。

◆図表1:ISM景況指数の推移

資料)ISMのデータより、三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 
1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

鈴木敏之 [三菱東京UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ シニアマーケット エコノミスト]

すずき・としゆき
1979年慶應義塾大学経済学部卒業、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。バブル期より市場・経済分析に従事し、英米で通算13年の駐在を経て、2012年より現職。


DOL特別レポート

内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。

「DOL特別レポート」

⇒バックナンバー一覧