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イノベーション的発想を磨く

GEに学ぶ、大企業病に陥らない組織作り

~『世界の超一流企業であり続ける GEの口ぐせ』(安渕 聖司著)を読む

情報工場
【第4回】 2015年11月7日
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伝統ある大企業が
ベンチャーのようなスピード感で動くには?

『GEの口ぐせ』 安渕 聖司著
PHP研究所
283p 890円(税別)

 「これって十分に速いの? もっと速くできるんじゃない?」「もっと開発スピードを上げよう。まずはお客様に聞こう」といった会話が飛び交う職場は、とても活気にあふれている。これがベンチャー企業であれば、珍しくはない、よくある光景だ。しかし、世界175カ国に30万5000人の従業員を抱え、1486億ドルの売り上げ(2014年実績)を叩き出す巨大コングロマリット企業が、こんなスピード感で仕事をしているとしたら驚くだろうか。そう、GE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)の社内では、実際にこのような会話が日常的に交わされているのだ。

 技術力を売りにしている会社で、冒頭のようなことを営業担当者が言い出したとしたら、開発現場から「今回の開発がいかに技術的にチャレンジングかわかっているのか?」「ちゃんとお客様に説明したのか?」などという反発の声が上がりそうだ。だが、GEではそんな対立はないらしい。

 GEの典型的な製品開発では、まず機能を限定したプロトタイプをすばやく作って顧客に提示するという。そして、顧客からフィードバックをもらい、それをもとに軌道修正をかけながらスピード重視で前へ進んでいくことが是とされる。

 このようなやり方は、ベンチャー企業を参考に導入されたものだそうだ。GEの社員たちは「“大きくて遅い会社”になったら競争に負ける」という強い危機感をもって仕事をしている。「さらに効率化できないか」「それ、もっとシンプルにしようよ」といった言葉が社内のあちらこちらで交わされるなど、常にスピードアップを念頭においたプロセス改善に社員たちの意識が向いている。

 GEの設立は1892年。120年以上の歴史がある巨大企業に、どうやってベンチャー企業のようなスピード感あふれるやり方を根づかせることができたのか。

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浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


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