フジの場合、それ以前から買い切り枠の赤字が散見されたものの、代理店側は長年の取引関係を踏まえ、必死になって支えてきた。

 一方で、視聴率の低下に歯止めがかからず、広告主から見限られるような状況に、代理店側としてもこれ以上赤字を被るようなことはできないと、業を煮やしたというのが冒頭の事例だ。

 折しも9月は、10月の番組改編を控えて、現場が必死になって新番組の制作にあたっている時期だ。

 一部は初回の収録を終えて、これからという時期での「通告」だっただけに、フジに衝撃が走ったのも無理はない。

 しかも、買い切りを断念したのが、10月改編の目玉となる、日曜日のゴールデン帯の番組だったことも痛手だった。

 フジは現在、「日曜ファミリア」という番組名で、日曜午後7時から午後10時まで、3時間の特番を放送している。

 9月に実施した番組改編説明会で、宮道治朗編成部長は「裏局(同じ時間帯で流れている他局の番組)との闘いを制すべく、かなり面白いラインナップが並んでくる」と意気込みを語っていた。

 ただ、日曜夜は、日本テレビが「ザ!鉄腕!DASH!!」や「世界の果てまでイッテQ!」など、視聴率が民放トップを走るような番組がずらりと並ぶ時間帯だ。

 そこに、フジは毎週内容が変わる特番で果敢に攻め入ったわけだが、代理店側の予想通り、視聴率はひとケタ台の低空飛行が続いてしまっている。

 そもそも、広告主にとって毎週内容が大きく変わる番組は、年齢層など視聴者の顔が見えにくいため、敬遠しがちだ。