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齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

「おもちゃ」とバカにしている人は
3Dプリンタ革命の本質を見逃す

齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]
【第20回】 2015年11月17日
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「おもちゃ」と思っていたら痛い目に遭う

 IoTを語るときによく引き合いに出されるものの一つに「3Dプリンタ」があります。

 3Dプリンティングは世の中の仕組みを大きく変える可能性を持っていますが、IoTと結びつくことで、その変革力は何倍にも増幅されることになります。

 3Dプリンタは数年前までは高価なものでしたが、今では5万円も出せばパーソナル用のマシンを購入できます。

 世界で初めて3Dプリンタを発明したのは日本人だったといわれています。ところが、日本国内ではその発明があまり重視されないまま、アメリカ企業が特許を取得した経緯があります。

 本当ならば、ものづくり社会である日本でこそ、3Dプリンタを活用して「ものづくり2・0」とでも呼べるようなイノベーションを実現しなければならなかったのに。とても残念に思います。

 こう言うと、「オタクのおもちゃのような3Dプリンタで、日本のものづくりを変革できるはずがない」と反論したくなる人もいるでしょう。

 「おもちゃのような」

 これは、IoTの禁句です。

 しかも、3Dプリンタは、すでに「おもちゃ」ではありません。

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齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]

さいとう・ウィリアム・ひろゆき
1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部卒業。高校時代に起業し、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年に会社をマイクロソフトに売却してからは日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。有望なスタートアップ企業を育成している。12年には、総理大臣直属の国家戦略会議で委員を拝命し、国会事故調査委員会では最高技術責任者を務めた。また13年12月より内閣府本府参与に任命されている。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2011」選出。2015年6月より、パロアルトネットワークス合同会社副会長に就任。著書に『ザ・チーム』(日経BP社)、『その考え方は、「世界標準」ですか?』(大和書房)。

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齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

歴史的に、世界に挑むチャレンジ精神は本来、日本人が持っていた気質。しかし今の時代、日本のお家芸“ものづくり”だけでは新興国に負けるのは火を見るよりも明らかだ。成長へと反転攻勢に転じるために必要なものは何か――。それは革新的なイノベーションを起こすための「世界標準の思考」に他ならない。気鋭の起業家であり、技術者である筆者が、日本が再び世界をリードしていく道はなにかを説く。

「齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機」

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