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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

頑張り女子をムカつかせる
「ワークライフバランス」という言葉

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第145回】 2015年11月17日
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 今回は「女性活躍推進」にまつわる謎のキーワード「ワークライフバランス」と「ロールモデル」についてのお話。

 そもそもの由来はともかくとして、現状ではこのふたつは、女性のキャリア支援とかダイバーシティの文脈で語られることが多い。というか、必ず出てくるキーワードだ。もう、ほとんど「ワークライフバランスを制度的に整え、ロールモデルとなる女性を見つけて祭り上げておけば、働く女性の支援はそれでOKだ」と言わんばかりの勢いで語られる。

 しかし実際にはこのふたつのキーワード、働く女性、特に高学歴、高キャリアのハイスペック女子に評判が悪い。少なくとも僕が知るハイスペック女子は、全員がアンチ・ワークライフバランスであり、アンチ・ロールモデルである。

 当連載では過去3回にわたる「ハイスペック女子」シリーズで、女性活躍推進の見えない壁についてお伝えしてきたが、ワークライフバランスとロールモデルに関してもまた、女性活躍推進の見えない大きな壁ではないかと思われる。つまり、行政や企業がワークライフバランスやロールモデルを唱えれば唱えるほど、仕事に対して意欲のある頑張り女子は、嫌気がさしてモチベーションが下がるというわけだ。なぜか?

「ワーク」と「ライフ」は
別にすべきものなのか?

 まずワークライフバランスについてだが、そもそもなんらかの使命感を持って仕事をしている人間、あるいは本当に楽しんで好きな仕事に打ち込んでいるような人間にとって、「ワーク」と「ライフ」の区別などない。これは男も女も関係ない、共通の価値観だ。

 かつての「24時間、戦えますか?」のバブル期においては、「仕事は遊び、遊びは仕事」と言われ、ワークとライフは一体化したものだったが、同様の価値観を持った人間はいまでも多い。もちろん、置かれた仕事環境によってワークとライフの関係性も変わるが、好きを仕事にしている人、自分の仕事を愛して頑張っている人は、それこそ「24時間、戦いたい!」と思っている人間も多い。

 昨今はコンプライアンスの観点から、またブラック企業批判を恐れて、とにかく社員に残業させないという方針の企業も多い。ちなみに、労働問題に関するこちらの弁護士サイトによれば、「1日平均11時間以上の労働」を超えて社員を働かせるとブラック企業認定になるわけだ。つまり、1日平均3時間以上の残業でブラック認定。月に20日勤務だとして、3時間×20日で60時間だ(ただし、労働基準法で定められている、ひと月あたりの残業上限は45時間と、これよりも少ない)。仕事大好き人間からすれば、この数字はあまりに少ない、もっと仕事させろ、と感じるだろう。

 もちろん労働基準法というものがあるので、法律を超えた労働時間を推奨するわけにはいかないが、そのようなマインドを持っている人も多いのも事実だ。が、ここで言いたいことは労働時間のことではなく、ワークとライフの区別など考えない人たちもいる、ということ。頑張り女子のなかにはそのような人も多い。

 それなのに「ワークライフバランス」と言われると、まるでワークとライフを別ものにとして考えろと、会社から強制されているかのような印象を受けてしまう。これが、ワークとライフを区別して考えない頑張り女子が、ワークライフバランスと言われるとイラッとくる理由だ。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

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