大阪ダブル選挙で圧勝!
橋下徹と維新はなぜこんなに強いのか
Photo:アフロ/読売新聞
11月22日、大阪に激震が走った。
この日投開票された大阪府知事選挙及び大阪市長選挙のいわゆる「大阪ダブル選挙」において、大阪維新の会の公認候補が圧勝したのだ。大阪府知事には現職の松井一郎氏が再選、橋下徹氏の後任となる大阪市長には新人の吉村洋文氏が選出された。
半年前、5月17日に維新の看板政策である「大阪都構想」を問う住民投票が行われたが、結果は否決。僅差とはいえ、大阪市民からの厳しい審判を受け、橋下徹元大阪市長は政界引退を表明。その後の維新の漂流と内紛劇につながった。
一方、相手候補は自民・民主・共産が推薦または支持する「非維新連合」。維新にとっては決して楽な戦いではなかったはずだが、大阪での根強い支持を全国へ見せつける結果となった。
それにしても、なぜ大阪維新の会はここまで根強い支持を受けるのだろうか。都構想が否決され、幾多の泥仕合を展開しても、なお支持されるカラクリは何なのか。客観的に考えれば、実に不思議な話である。
そして、これから再び4年間の任期を得た大阪のリーダーたちは、次に何を目指すべきか。この勝利が日本全体に及ぼす影響は何なのか。
本稿では、前回の大阪ダブル選挙からの維新をめぐる得票数に注目し、大阪の有権者の投票行動を分析しながら、今回の「勝利が持つ意味」について徹底的に考察する。
まず、大阪市について分析してみよう。
大阪市ではここ最近、頻繁に選挙が続いていた。2011年に前回の大阪ダブル選挙が行われたが、翌年には衆議院議員総選挙が行われ、2013年に参議院議員選挙が続き、2014年には突然橋下徹元市長が辞任を表明した大阪市長選挙(出直し選挙)と衆議院議員選挙、そして2015年は統一地方選挙を経て大阪都構想を問う住民投票があり、今回の大阪市長選挙が続いた。
多額の税金をかけて行われる選挙であるから、データは有権者の想いを汲み取るためにぜひ有効に活用しなくてはいけない。大阪市民の投票行動の推移をわかりやすく示すために、一例として、右のグラフを作成した。