普天間基地問題が県内移設という新局面を迎えたことで人々の目が沖縄に注がれている。

 とはいえ当コラムは政治ではなく、スポーツのことを述べる場。基地といっても米軍のではなく、「スポーツの基地」としての沖縄について触れてみたい。

年々増えている
プロ野球の沖縄キャンプ

 現在沖縄は日本のトップアスリートの冬から春にかけてのトレーニング基地という役割を果たしている。日本列島が厳冬期に入る1~2月の沖縄の平均気温は17・5度。春から秋にかけてがシーズンの競技、陸上競技や野球、ソフトボール、サッカー、ゴルフなどの選手は年明け早々に始動する。筋肉に負担をかけずに体を作るためには、できるだけ暖かい土地でトレーニングする必要があるため、沖縄にやってくるのだ。

 たとえばプロ野球。今春は12球団中9球団(北海道日本ハム、千葉ロッテ、東北楽天、オリックス、広島、阪神、中日、横浜、東京ヤクルト)が沖縄でキャンプを行った。また、韓国プロ野球からも3球団が来た。

 沖縄で初めてプロ野球のキャンプが行われたのは79年。チームは日本ハムだった。以来、年を追うごとに沖縄に来るチームは増えている。来年には長年宮崎でキャンプを行っていた巨人も沖縄に来る予定だ。

 MLBのキャンプ地はフロリダ州とアリゾナ州の2ヵ所に集中している。キャンプ時は両地域に観光客が集まり、経済的にも潤う。それと同じ構図が沖縄でも出来つつあるのだ。

 一方、Jリーグクラブの大半は宮崎か鹿児島でキャンプを行っており、今春沖縄でトレーニングしたのはJ2の千葉と横浜FCの2クラブだけだ。が、これは施設の問題だろう。

 沖縄は野球が盛んで野球場の整備には力を入れてきたが、サッカー熱は今ひとつで天然芝のグラウンドを備えた練習施設がまだ少ない。しかし、スポーツ合宿の場として商売が成り立つことが判ってきた沖縄の人たちは、今後芝のサッカー場も積極的に造ることだろう。