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小宮一慶の週末経営塾

「後継者の育成がうまく行かない」のはなぜか

小宮一慶
【第27回】 2015年11月28日
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まず「経済を勉強させる」こと

前回に続き、多くの企業経営者が頭を悩ませている後継者育成についてお話しします。

小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 前回は企業経営にとって最も大切な「正しい考え方」を後継者に身につけさせる重要性を説明しました。今回は、育成において具体的にどのようなことをすべきか、後継者に必要な能力の磨き方を説明します。

 非常に基本的でありながらも非常に重要なことは、「経済を勉強させる」ということです。

 私の会社が主催する、経営者育成のための後継者ゼミやコンサルタント養成講座では毎日、日本経済新聞を一面(新聞社の目で選んだ読者に一番知ってほしい記事が掲載されている)から読んでもらい、「経済日記」として、重要と思う事項、自分の仕事や会社に関わる事柄をメモする訓練をしています。これを1年間続けるとかなり経済が分かるようになります。

 卒業後も続けている人が多いのですが、経済に関連した知識が蓄積され間違いなくレベルが上がるし、何もしていない人との差は超えられないほど大きくなります。これを繰り返すことで、レベルが上ったことを示す実話があります。

 ある中小企業の後継者の立場で勉強していたゼミ生が地元の商工会議所が主催する視察旅行に参加してアメリカの姉妹都市へ行き、企業経営者と交流を持ちました。懇談時にアメリカの経営者から「日本の経済状況はどうなのか?」という質問が出たそうです。

 他の参加者は「徐々に上向いている」といった当たり障りのない答えしかできなかったのですが、ゼミ生は根拠となる指標等を交えながら詳しく説明することができて感心されました。事前に質問を想定して準備をしていなくても、積み重ねることによって体の中に蓄積された知識が自然に話に盛り込まれたのです。

 後継者としての訓練を始める時期は早いほどいいでしょう。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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