事業仕分け第2弾が終了しました。昨年11月の第1弾のときとは異なり、マスメディアの狂騒もそこまでひどくありませんでしたが、それでも連日大きく報道されました。しかし、特に第2弾については大きな問題点があり、かつそれが普天間基地問題と共通することを見逃してはいけません。今の政権の本質がこの二つの問題に現れているのです。
無理があった事業仕分け第2弾
事業仕分け第2弾は、前半は独立行政法人を、後半は公益法人を対象に行なわれました。この両方には天下り/渡り、過度の予算投入、埋蔵金など行政のあらゆる無駄が蓄積されていますので、行政の無駄の削減が目的である事業仕分けの対象としてふさわしいことは事実です。
しかし、残念ながら、この第2弾はまったく評価できないと言わざるを得ません。それは、行政プロセスの観点から見て、やり方があまりに“詰まっていなかった”からです。
その最大の理由は、仕分け人の判定結果には何の法的拘束力もないということです。国民の溜飲を多いに下げた事業の廃止という判定も、所詮は単なる政治的な掛け声に過ぎなかったのです。
それでも、昨年11月に行なわれた事業仕分け第1弾では有効に機能しました。それは、第1弾の対象が予算であり、予算査定という法的な権限を持つ財務省が、仕分け人の判定結果を積極的に取り入れて予算を削減しようとしたからです。判定結果自体には何の法的拘束力がなくても、結果的にそれが行政プロセスに反映されるメカニズムが存在したのです。
これに対して、独立行政法人や公益法人の場合は、判定結果がどのように行政プロセスに反映されて実際に行政の無駄が取り除かれて行くのか、まったく不明です。それは、独立行政法人や公益法人については、所管の省庁が判定結果を取り入れようとしない限り、行政のプロセスに反映されないからです。