会社に残るか、それともフリーとして独立するか――ビジネスパーソンなら誰もが一度や二度、こうしたキャリアプラン選択の岐路に立たされたことがあるだろう。女子アナも例外ではない。11月20日、日本テレビの上田まりえアナウンサー(29)が2016年1月末に同局を退社することがわかった。退社後は大手芸能事務所「松竹芸能」に所属し、フリーアナとしての活動のほか、女優や歌手などの芸能活動にも仕事の幅を広げていく意向だという。
2015年に入ってからだけでも女子アナのフリー転身劇は、「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ系)で人気を博した元読売テレビ・川田裕美アナ(32)、ネット上で“かわいすぎる”新人と話題となり、現在は「めざましテレビ」(フジテレビ系)で司会を務める元静岡朝日テレビ・牧野結美アナ(25)などが挙げられる。なぜ、彼女たちは難関といわれる局アナの地位を捨てフリーに転じたのか。在京キー局アナからフリーに転じた女子アナのひとりが語る。
「局アナだとアナウンサー以外の仕事に追われるからです。それは在京キー局、地方局どちらもそう変わりない。新人から中堅、ベテランと経験を積めば積むほどアナ以外の仕事が増えてきます。アナとしての実力を高め、アナの仕事だけをしたいと思えばフリーになるより他はありません」
では、“アナウンサー以外の仕事”とはいったい何を指すのか。
「ひとことでいえば事務です。アナという肩書を外した一会社員としての業務全般になります。これは入社年次によって担当する業務が違います。ベテランアナだと後輩アナの指導、スケジュール管理といったところ。アナウンス部内での領収書の管理、書類の起案……平たくいえば経理もこなします。若手ならADとかイベント時の設営とか。裏方としての仕事もありますよ」(前出の女子アナ)
著名局アナでは、日本テレビの豊田順子アナ(49)が後輩のアナウンス指導やスケジュール管理といった業務を担当していることが知られている。
局アナはベテランになると番組出演や取材のほか、社内業務にも忙殺される。アナウンサーの仕事だけを極めるのは局アナでいる限り難しい。最近では、局や番組が持つHPやブログといったウェブコーナーほか、新聞・雑誌での執筆も業務に含まれることもある。忙しさは増すばかりだ。この多忙さが局アナからフリーへという気持ちに駆り立てる。