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部下をもつ人の職場の人間関係
【第2回】 2015年12月4日
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水島広子 [精神科医]

「怖れのリーダー」から「機能するリーダー」になろう

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最近、対人関係の問題などで心を病む人が増えています。会社は多くの人が集まる場所であり、そこには、上司や先輩、同僚、部下や取引先など、多くの人間関係が生じます。それらの人間関係は、いずれもストレス要因になり得ます。職場のストレスをなくし、働きやすい環境をつくるのは、現場を預かる管理職やリーダーの仕事のうち。本連載では、『部下をもつ人の職場の人間関係』を上梓した対人関係療法の第一人者で精神科医の水島広子氏が、職場のストレスをなくし、円滑な人間関係をつくるコミュニケーションのコツをアドバイスします。第2回のテーマは、「機能するリーダー」と「怖れのリーダー」の違いについて。

人を従わせるのがよいリーダー?

 「リーダーシップを発揮する」ということは、往々にして、そのリーダーが目指す方向に強引であっても従わせる、ということと誤解されがちです。

 たしかに、非常時には、そういう姿勢が必要となる場合もあるでしょう。

 しかし、普段からそういうことが常態化してしまうと、「指示されていないからやらない」と、部下を無力化・消極化してしまい、本来部下が持っている能力が発揮できずに損ねてしまう、ということにもなりかねません。言われたことしかやらない部下をつくってしまう危険があります。

 「怖れ」にとらわれているリーダーは、守りに入りがちです。

 「怖れ」にとらわれているというのは、どういうことかと言うと、「もしも○○したらどうしよう」というような無力で不安な強迫観念に振り回されている、ということです。

 例えば、「人に任せて、うまくいかなかったらどうしよう」という思いに振り回されると、やたらと仕事を抱え込んで過労となったり、人に干渉して自分のやり方でやらせようとしたりすることになります。

 それでは、部下は自分の力を十分に発揮することができませんし、仕事を任せた意味もありません。

 「怖れ」にとらわれているリーダーにおなじみのマイナスの感情は、いらだち、焦り、不安、孤独感、無力感、猜疑心、警戒心などといったところでしょう。

 それら自体がストレスフルですし、リーダーとしても機能しないのであれば、そのような「怖れ」にとらわれるメリットは何もありません。

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水島広子 [精神科医]

1968年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。
摂食障害、気分障害、トラウマ関連障害、思春期前後の問題や家族の病理、漢方医学などが専門。「対人関係療法」の日本における第一人者。
慶應義塾大学医学部精神科勤務を経て、現在、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、国際対人関係療法学会理事、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表、対人関係療法研究会代表世話人。
2000~2005年衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正をはじめ、数々の法案の修正実現に尽力。
精神科専門医、精神科指導医(日本精神神経学会)、精神保健指定医、日本認知療法学会幹事、日本うつ病学会評議員、日本摂食障害学会評議員、日本ストレス学会評議員。心の健康のための講演や執筆も多くこなしている。
主な著書に『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『怒りがスーッと消える本』、『小さなことに左右されない「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』、『身近な人の『攻撃』がスーッとなくなる本』、『大人のための『困った感情』のトリセツ』(以上、大和出版)、『十代のうちに知っておきたい 折れない心の作り方』(紀伊國屋書店)、『プレッシャーに負けない方法―「できるだけ完璧主義」のすすめ』(さくら舎)など、多数。


部下をもつ人の職場の人間関係

イライラ、ムカムカ、モヤモヤ、ウツウツ……。
仕事のストレスの多くは、職場の人間関係から生じます。
つまり、人間関係のコツをつかみ、その質を高めることができれば、ストレスの少ない、イキイキとした職場環境に生まれ変わります。
「対人関係療法」の第一人者が、効果的な社内コミュニケーションのコツをアドバイス。部下と上司のストレスをなくし、人間関係の悩みがスッキリ解消する秘訣とは。

「部下をもつ人の職場の人間関係」

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