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モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

トヨタの強さの源泉を見た!
「オールトヨタTQM大会」初見聞録

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第19回】 2015年12月4日
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初めて目にした50回目の
「オールトヨタTQM大会」

「第50回記念オールトヨタTQM大会」の会場の模様 Photo:Mitsufumi Ikeda

 12月1日、名古屋市にある名古屋国際会議場には、朝からトヨタグループの社員が続々と集まり、終日熱気に包まれた。「第50回記念オールトヨタTQM大会」が同会場で開催され、トヨタ自動車をはじめグループ企業や取引先企業300社から4300人が集結したのだ。

 オールトヨタTQM大会のTQMとは、「トータル・クオリティ・マネジメント」の略で、製品品質やサービス品質だけでなく、それを生み出すための仕事の質を向上させるための、広義の品質向上の取り組みである。今回は「第50回記念」と銘打たれたように、同大会は1966年の「第1回オールトヨタ品質管理大会」以来毎年開催されており、1995年から現在の名称となったが、半世紀の歴史を数える。

 今回の大会テーマは「伝承と変革~知りたい事例が必ずある!」。張富士夫・トヨタ自動車名誉会長による特別講演「トヨタのものづくりと人づくり」を皮切りに、ステージ事例32件、ブース事例80件、計112件の改善事例が発表された。大会の締めくくりに豊田章男・トヨタ自動車社長ら8名のグループ・取引先各社のトップがセンチュリーホールの壇上でリーダーズセッションを行った後、事例発表者も壇上に並び、全員で「もっといいクルマをつくろうよ」と大合唱して閉会した。

 今回筆者は、この「第50回記念オールトヨタTQM大会」を取材する機会を得たが、張名誉会長の講演をはじめ、熱気溢れる各社の事例発表会場を実際に見るにつけ、トヨタの「強みの源泉」を改めて再認識させられた。その強みとは、トヨタ自動車だけではなく、ダイハツやデンソーなどのグループ企業、取引先サプライヤー、販売店などと一体化・連動し、TQMの共有を愚直に繋げていく姿勢であり、実践であった。大会の一部始終をあますところなくお伝えしよう。

 「第50回記念オールトヨタTQM大会」の皮切りは、張富士夫・トヨタ自動車名誉会長の特別講演だった。張名誉会長は「トヨタのものづくりと人づくり」をテーマに、張氏らしく体調不良を押しながら、時間を延長してまで熱弁を奮った。

 張名誉会長は、カンバン方式など生産管理のあり方を世界的に有名にした「トヨタ生産方式」を体系化した大野耐一・元副社長の薫陶を受けた人である。大野氏や大野氏の一番弟子の鈴村喜久雄氏の直属の部下としてのキャリアから始まり、自らが現場で実践した「カイゼン(業務改善)」の極意を語り、時代の変化・環境の変化に対応することの大切さを強調。かつ、活動を担う人づくりが重要であることを訴えた。

 次に述べるのが、張名誉会長特別講演の要旨である。

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佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

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